「ひろしま♡あび隊♡」出前講座を開催いたしました。

  • 2020.1.16
  • 人間福祉学科

「ひろしま♡あび隊♡」出前講座を開催いたしました。

令和2年1月10日(金)に「ひろしまあび隊」による出前講座を開講いたしました。
「ひろしまあび隊」とは、知的障害者(児)の保護者で組織されており、知的障害者(児)が地域で安心して暮らしていくために知的障害者(児)に対する正しい理解を図る活動を進めておられます。
出前講座では、次のプログラムにて講座が行われました。
1、「あび王国へようこそ」疑似体験
  ※あび王国とは、「あび」という言葉でしか会話が出来ない架空の国のこと。
2、「絵に描いてみよう」
3、「知ってほしい!わかってほしい!知的障害」
4、聴覚体験
5、グループワーク
6、保護者の話
 疑似体験では「あび」だけの会話をしてもらい、お互いの意思が伝わらない体験を通して、相手を思いやる心の大切さを考えてもらうプログラムとなっています。本人が必死に伝えようとしても伝わらず、聞き取る側も理解できない状況が発生し、互いにしんどさを抱えることを体感することが出来たプログラムとなっていました。


 絵に描いてみようでは、「ボール」「りんご」「少し」「きちんと」を1分以内に絵に描くというお題が出されました。このプラグラムでは、知的障害や発達障害のある方は、抽象的な言葉「少し」「きちんと」「そこ」などという、絵では描きにくい表現は分かりづらいということを教えてくださいました。

 具体的には伝える時は、「そこの椅子に少し座って待っていて」ではなく、「赤い椅子に時計の針が5になるまで座って待っていて」と伝えると誰でも分かりやすくなります。また、ストレスに弱い為、複数のことを同時に伝えるとパニックを起こすこともある為、1つずつ“ゆっくり”“優しく”“丁寧に” 身振り、表情、絵などを用いて伝えることの重要性が改めて感じられたプログラムでした。
 障害についての講義では、「障がいがあるから自分とは違う」と壁を作るのではなく、言葉で伝えることや物事を覚えることが難しくても、感じる想いは皆と同じだということを話していただきました。障がいについて学びを深める過程で、障害のある方を個人として見るのではなく、「〇〇障害のAさん」というように障害の特性にこだわり個人が見えなくなっていないか?と改めて考え直すきっかけとなる講義内容でした。
 聴覚体験では、実際に聴覚過敏の子どもが学校の場面で先生の話を聞いている時の音を再現したものをCDで流してくださり、音をある程度遮断出来るイヤーマフなども実際に見せていただきながら説明をしていただきました。


 グループワークでは、これまでの話を聞いて気づいたこと、今後活かせそうなことをグループに分かれて話し合いを行いました。

 今回の講座では、本日学んだ新たな発見を皆で共有するとともに、将来を見据えた現場での子どもの支援方法や、私たちの身近な生活場面でパニックになった人を見かけた際の私たちに出来ること等、様々な質問も出ました。
 中には、これまで同じことを何回も伝えてくる人がいたがどのような心理からなのか?という質問が出ました。回答としては、そもそもその人が好き、そのやりとりが好き、心地が良いと感じている、癖になっている可能性があるということを教えていただきました。質問した学生も、この理由を知ることができただけで、心の持ち様や対応にも変化が起きたと話していました。

 勉強して知識はあったとしても、実際の様子を具体的に知る機会が少ない中で、今回は障害のあるお子さんの保護者の方々による講座をしていただきました。

 講座を受講したことで、具体的な日常生活でのやりとりや支援方法を知ることができ、授業で学んだことを深め、さらに自分の普段の日常生活にも結び付けて考えることが出来る講座となりました。

広島市手をつなぐ育成会の皆様、本当にありがとうございました。