• 2021.2.1
  • 人間福祉学科

「ひろしま♡あび隊」出前講座を開講しました。

令和3年1月22日(金)に広島市手をつなぐ育成会の方々による「ひろしまあび隊」出前講座を開講しました。

「ひろしまあび隊」は、知的障害者(児)の保護者で組織されており、知的障害者(児)が地域で安心して暮らしていくために知的障害者(児)に対する正しい理解を図る活動を進めておられます。

本来は対面での開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大を考慮し、今年はオンライン開催となりました。

 

出前講座では、次のプログラムにて講座が行われました。

1、「あび王国へようこそ」疑似体験

2、「絵に描いてみよう」

3、「わかってほしい!知的・発達障害」

4、視覚体験

5、聴覚体験

6、保護者の話

 

1、の「あび王国へようこそ」疑似体験では、架空のあび王国で「あび」だけの会話をしてもらい、お互いの意思が伝わらない体験を通して、相手を思いやる心の大切さを考えてもらうプログラムとなっています。

 

2、の絵に描いてみようでは、知的障害や発達障害のある方は、抽象的な言葉「少し」「きちんと」「そこ」などという、絵では描きにくい表現は分かりづらいため、具体的には伝える時は、「そこの椅子に少し座って待っていて」ではなく、「赤い椅子に時計の針が5になるまで座って待っていて」と伝えると誰でも分かりやすくなることを教えていただきました。さらに、複数のことを同時に伝えるとパニックを起こすこともある為、1つずつ“ゆっくり”“優しく”“丁寧に” 身振り、表情、絵などを用いて伝えることの重要性が改めて感じられたプログラムでした。

 

5、の聴覚体験では、実際に聴覚過敏の子どもが学校の場面で先生の話を聞いている時の音を再現したものをCDで流してくだいました。障害がある方はノイズを取り除く力が弱く、音を選択することを苦手とする方がおられます。そのため、雑音が気にならない環境で大事なお話をしたり、イヤーマフ等を活用し、音の重複した気持ち悪さを取り除く工夫が必要だということを理解することが出来ました。

 

最後に今回の講座では、保護者の方の話も含まれており、我が子に障害があると知った時の気持ち、学校生活でのお子さんとのやり取りなどを教えていただきました。その中で、お子さんから学生へ向けてのメッセージに「障害があっても僕たちは一生懸命生きています。一人の人間として優しく見守ってください」、保護者の方からは「障害という言葉でその人を判断するのではなく、同じ人間として生きづらさを持っているけど、頑張っている人としてその人のことを知っていただければと思います。」という思いを聞かせていただきました。

 

皆さんはこの言葉を聞いてどのように感じ、何を考えますか?

 

~学生のコメント~

「障害があるから何でも助けてあげよう」という考えではなく、「できる限り自分でしていただいて、できない部分を助けることが大事」という考え方の話は、大きな気づきとなった。助けているつもりでも全てが本人の助けとなるわけではないんだということを感じた。(1年生)

 

今回はあび隊の皆さんの講義に参加させていただき、知的障害の方と関わるうえでどのようなことに気を付けることが重要なのかを教えていただいたことで、今までの自分の行動を見直すいい機会になった。た、実際に家族の方から聞いた話はとても説得力があり、聞いていて感動した。これからボランティアなどの活動にもっと参加して、実際に今回学んだことを実践して、いろんな人と交流を深めてみたいと感じた。(1年生)

 

一般的にダメなことをしたら反射的に否定して注意してしまいがちなため、ダメなことをした時に肯定的に返すことは慣れる必要があると感じた。(2年生)

 

広島市手をつなぐ育成会の皆様、本当にありがとうございました。