黒飛先生が日本食品工学会年次大会のシンポジウムで講演されました

  • 2019.8.23
  • 人間栄養学科

黒飛先生が日本食品工学会年次大会のシンポジウムで講演されました

 8月7日(水)・8日(木)に日本食品工学会 第20回年次大会が高松市にて開催されました。本学会は、食品をよりマクロな立場から総合的・システム的に捉え、研究成果を実際の食品生産の場に還元することを目的にしています。そのため、食品企業をはじめ、食品の様々な分野の専門家が多く参加しています。このたび、年次大会において『おいしさを極める!』をテーマとしたシンポジウムが開催され、黒飛先生がシンポジストとして「官能評価と機器分析によるテクスチャー知覚の推測」と題して講演されました。

 講演内容は、イチゴジャムのテクスチャー(官能評価)に対応する力学的物性(機器分析)を検討し、相関関係からテクスチャー項目(かたさ・ねっとり・べたつき・なめらかさ・口どけ)がそれぞれどのような口腔内状態(唾液の有無、温度など)と動きで判断しているかを推測したものです1)。テクスチャーは、食品のおいしさに大きく影響するため、聴講者の関心も高く、シンポジウム後に個別の相談もあり、改めて「おいしさ」に関するテーマは食品企業等にとっても重要なテーマであると実感されたとのことです。

 現代の超高齢化社会では、嚥下困難者食や介護食などの需要も増えています。テクスチャーは、おいしさだけでなく、誤嚥などが生じないようなテクスチャーへの改良や数値化なども必要になってきています。今後、食品の官能評価と機器分析を併用したテクスチャー分析などを行い、消費者の需要に応じた研究テーマを学生とともに取り組んでいくとの抱負を語っておられます。

             Kurotobi, T., et al. J. Texture Studies, 49(4),359-369(2018)

 

【質疑応答風景】

 

 

 【イチゴジャムのテクスチャー知覚順序を図示したもの。ジャーナルの表紙に採用されました】