第80回中国四国心理学会にて学生が研究発表をしました!

  • 2024.11.19
  • 人間福祉学科

第80回中国四国心理学会にて学生が研究発表をしました!

 11月8日(土)・9日(日)に比治山大学で行われた第80回中国四国心理学会にて、人間福祉学科の3年生 山本陽菜さんが研究発表を行いました。研究のタイトルは「ネットいじめを目撃した大学生の個人特性と傍観及び援助行動の関係:Instagram のストーリーズを使用したいじめ場面を想定して」です。

 最近、若者を中心にSNSを使ったいじめが社会問題になっています。いじめに関する研究では、どんな人がいじめに対して見て見ぬふりをしてしまう「傍観者」になりやすいのかに注目がされてきました。その研究によると、周囲から目立ちたくない人は傍観者になりやすいこと、コミュニケーション能力が高い人は傍観をせず、いじめを止めようとすることがわかっています。しかし山本さんと五百竹先生は「コミュニケーション能力が高い人って本当に傍観しないのかな?コミュニケーション能力が高く、周りから目立つことを嫌がる人は、自分を守ろうとして見て見ぬふりをしちゃうこともあるんじゃないのかな?」と考え、実際にInstagramを使ったネットいじめの場面を想定した調査をしてみました。

 

 その結果「いじめを傍観しないのは、コミュニケーション能力が高く、かつ周囲から目立つことに抵抗のない人に限る」ということが明らかになりました。つまり「コミュニケーション能力が高くても、周囲から浮くことに不安がある人はいじめが起こっても見て見ぬふりをしてしまうかもしれない」という結果が得られました。山本さんの研究発表には、多数の大学教員、大学院生、学部生が聴講に来られ、活発な議論が交わされました。

写真は、連名発表者であり、一緒に研究をした五百竹亮丞先生との学会会場でのツーショットです。

研究発表をした山本さんと五百竹先生に今回の学会発表についてコメントをもらっています。

五百竹先生

「広島文教大学の近くにある比治山大学で学会があると知ったときに学部生と発表したいなと考えていました。学力云々よりも、とにかく好奇心旺盛で、ひたむきに努力できる人と研究したいと思い3年生の山本さんを誘いました。そして、山本さんは本当によく頑張っていました。慣れない心理学論文の読み込みと初体験の調査・データ解析に四苦八苦しながらも、毎週欠かすことなく研究ミーティングに参加してくれました。通常の授業や保育実習、アルバイトなどで多忙の中、素晴らしい成果をあげてくれたと思います」

山本 陽菜さん

「五百竹先生に誘ってもらって、楽しそう!と思い学会発表にチャレンジしてみました。はじめは研究の進め方も論文の読み方もよくわかっていない状態だったので、勉強することが多くてとても大変でした。でも、学会発表当日はたくさんの方から“とてもおもしろい研究ですね”と言ってもらえました。とても嬉しくて、頑張ってきてよかったと思いました。」

山本さんは今回発表した研究をもとに卒業研究を執筆中とのことです。お疲れ様でした。また今後の活躍に期待しています。