ラプラプセブ国際大学 留学体験記―異文化コミュニケーションの実践

  • 2022.10.14
  • GC学科

ラプラプセブ国際大学 留学体験記―異文化コミュニケーションの実践

2022年夏期より本学からの留学を開始したラプラプセブ国際大学(Lapulapu-Cebu International College、以下LCIC)。グローバルコミュニケーション学科からも早速多くの学生が海を渡っています。今回、先陣を切って留学をしてきた北野弘大さん (人間科学部グローバルコミュニケーション学科3年、7/11~8/5滞在)、そして徳重優さん(人間科学部グローバルコミュニケーション学科2年、6/5~7/2滞在)の両名にインタビューを実施し、LCICへの留学の醍醐味やこれからのキャリア・展望についてお話ししていただきました。

 

――お二人はどういった思いから今回LCICへ留学されたのでしょうか。

北野弘大さん(人間科学部グローバルコミュニケーション学科3年)          徳重優さん(人間科学部グローバルコミュニケーション学科2年)

 

[北野さん]僕は卒業後、海外青年協力隊に入り、途上国の様々な課題に向き合う仕事がしたいと考えています。ですが昨今のパンデミックもあいまって海外への渡航経験がなく、国外に出ていくファーストステップとして、今回留学してみました。留学費用は自身で賄う、という考えでもあったため、LCICへの留学コストが抑えられていることは、とても有難かったです。

 

[徳重さん]高校生のときに1週間ほど、オーストラリアはゴールドコーストでホームステイしたことがあります。そこでの経験から、漠然といろんな国に行きたいという気持ちが芽生えました。中でもアジア圏の国に行きたいという思いがあり、アジアの中の日本の位置づけや、他のアジア諸国とのつながりについても関心を持っていました。単純に多くの国に友人が欲しいという動機もありました。

 

――なるほど。実際行ってみてどうでしたか?どのような面白い授業がありましたか?

 

[徳重さん]実際に先生がAdobo (アドボ)というフィリピン料理を持参してくださり、そこからフィリピンの歴史を学んだ授業(“Food Culture”)などが、まさに自身の関心にぴったりでした。食文化を通じてフィリピンの伝統や歴史経験を考える授業だったのですが、かつてのコロニアリズムの存在と翻ってそこから生まれた異なる文化の位相など、悲惨な歴史やナショナリズムのみには回収されない土着文化を学ぶことができました。

 

 

[北野さん]K-POPや韓国のドラマに関心があり、韓国語で話してみたいと思っていたので、韓国語(“Basic Korean”)の授業はとても楽しかったです。ちょうどその時期に韓国から留学生が来ていたので、その方と実際にコミュニケーションをとる機会もあり、さらに実践的な学習ができました。

 

 

[徳重さん]LCICは生徒それぞれのレベルに合わせて授業内容を変えてくれるので、とても勉強がはかどりました。中には授業の進捗・理解度合いによって、理解するまでゆっくりわかりやすく説明してくれる授業もあったくらいです。

 

[北野さん]到着後、すぐに学力テストがあってレベル分けがなされるから、個々人の英語力に即した授業を受講することができましたね。

 

 

――休日や授業後などに見るセブの街並み、また寮の雰囲気などはいかがでしたか?

 

[徳重さん]休みの日は近くのショッピングモールや水族館に行きました。ご飯は日本と同じ食材が使われていて風味が似ているところもありましたが、たまたまかわからないですけど、全般的に塩味が濃かった印象です(笑)。

 

[北野さん]はじめて体感する味もありましたね。大学の周辺などは、日本ではもうあまりみられない道路が舗装されていない場所もあるのですが、そこらで子供たちが駆け回って遊んでいたり、牛やヤギが普通に歩いていたりして、牧歌的なコミュニティが存続しているように見受けました。現地の人から気軽く普通に話しかけられたりもして、「積極的なコミュニケーション」の重要性をキャンパスの内外で痛感していました。

 

 

[徳重さん]そうですね。積極的にコミュニケーションをとる姿勢を持つことが重要であると学びました。生活は主に寮の中で送るのですが、たとえ英語力があったとしても、それ以上に自ら話しかける「積極性」が求められます。部屋に閉じこもるのではなく、ダイニングルームや共同での勉強部屋などで、ルームメートに自分から話しかける姿勢が何より大切。

 

 

[北野さん]他国からの留学生の方と英語で常に話す環境が寮内にはあります。なので、そこでのコミュニケーションをとにかく楽しむべきだと考えていました。そういえば日本でのものとは異なるルールのトランプをする経験もありました。直に「異文化」に触れ続けることができるので、やっぱりそれを「楽しむ」ことが重要ですね。

 

――では、お二人が自身に関して、留学の前と後で変わったなと思うようなことはありますか?

 

[北野さん]先の話とも重なりますが、やはり第一に実践的なコミュニケーション力の向上。特に意識の変化です。そうした変化は、「誰かのために何かをしたい」という意識の強まりにもつながりました。やりがいを求めるだけでなく、具体的な目標を見定め、誰にどのような貢献が可能かを、しっかりと考えることの重要性に気づけました。

 

[徳重さん]私も思った以上に「異文化」の生活に溶け込めたことが自信になりました。もちろん文化的な側面での違いは多様にあります。そうした差異に怖気付くことなく、それぞれの文化を尊重する視点が涵養できたと思います。

 

――最後に、これからのお二人の展望をお聞かせください。

 

[徳重さん]将来就きたい職業はまだ定まってないのですが、その前に他の国にもっと留学してみたくなりました。文化の多様性といった観点から、カナダも新たな候補として考えるようになりました。LCICでの経験をステップに、日々の英語学習にも力を入れつつ、多種多様な文化を体験するための勉強を続けていきたいです。

 

[北野さん]私はもう一度LCICに留学する予定です。その上で、もっと深く現地の文化や風習を学び、海外青年協力隊に入隊したいと考えます。そうした異文化の経験というのは、履歴書に簡単に書くことはできません。けれどもそれ以上に自身が成長できる機会であると確信しています。「もっと学びたい」という純粋な気持ちを、留学をつうじて再確認することができました。