『未来へのターニングポイント』~卒業生たちの「まなび」と「あゆみ」~

  • 2015.05.25
  • 人間栄養学科

『未来へのターニングポイント』~卒業生たちの「まなび」と「あゆみ」~

『誰かのために』を考えられる人

管理栄養士として活躍する人間栄養学科の卒業生たち-。卒業生たちは、在学中にどんな「まなび」を重ねながら成長し、未来を描き、そして今どんな「あゆみ」あゆみをすすめているのだろうか?

 

食育は健康づくりの第一歩

大竹 優希さん

広島原爆障害対策協議会 健康科学館 (嘱託職員)
人間栄養学科 2015年卒

(広島県立井口高等学校出身)

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 私は、「食育」に興味があり、在学中は食育ボランティアに参加していました。その経験から、食育のひとつとして、若者の朝食欠食率を減らすことが大切であると感じ、大学祭で朝食欠食に関する出店をしました。ふだん朝食をとっていない人が、食べたいと思うには、どのような展示ブースにすると効果的なのか皆で企画し、運営するのはとても大変でしたが、朝食をとることの大切さをポスターで伝えながら、朝食に取り入れやすい「ふりかけご飯」の試食・販売を行ってみました。足を運んでくれた方が「食べようかな」と言ってくれたことがとても嬉しく、やりがいを感じ、自分たちが企画・運営したことが食育へ繋がることを直接感じることができ、良い経験となりました。

 現在、私は広島市健康づくりセンター健康科学館で働いています。健康科学館は、人間のからだのしくみ、病気と健康等について、子どもから大人が楽しく学べる展示、イベントを実施しています。

私は、展示(企画展)やイベントの内容を企画し、展示物を作成すること、携わるボランティアを効率よく配置し、運営をすることなどを主な仕事としています。企画する際、健康づくりの基本である「食」について関心を持ってもらうこと、日々の食生活に活かせる展示内容やイベントを行うことを心掛けています。来館者の方が熱心に展示を見ている姿や、「今度やってみます」と声をかけられたときなどは、手ごたえを感じ「頑張ってよかった」と思います。

「食」の知識を得ることは、健康を守ることに繋がります。個人から家族、社会、そして未来へと続く「食育」のひとつを担っている責任とやりがいを実感しています。

在学中に、授業だけでなく積極的にボランティアを行うことで、食育の楽しさを知り、それが原動力となり、今の仕事の頑張りへ繋がっていると感じています。

 

 

 

生まれ育った地域の人たちと食を通して関わりたい!

長島 美由希さん

社会福祉法人暁ほほえみ福祉会 益田ひかり保育所勤務
人間栄養学科 2012年卒
(島根県立益田高等学校出身)

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 私は現在、益田ひかり保育所で給食・おやつ作りの仕事をしています。また、同じ法人で福祉施設や病後児保育、学童保育、こども食堂も受け持っており、シフトによって異なりますが、赤ちゃんからお年寄りの方までの食事作りをしています。私が保育園での就職を目指したきっかけは、2つあります。1つ目は、ゼミのボランティア活動で保育園に行った際に、こどもたちの成長にとって給食は大事だと言うことを痛感し、こどもたちの成長を見守り、楽しみながら給食作りに携わりたいと思ったことです。2つ目は、病院などでの臨地実習を通して、食事に制限などがあり、思うような食事ができない方にも、喜んで「美味しい」と言ってもらえる食事作りをしたいと思ったことです。生まれ育った地域の人たちと食を通して関わることができ、また、保育園ではこどもたちの日々の成長を肌で感じながら関われている事がとてもやりがいとなっています。

 

ライフステージ栄養学

2年次、卒業必修科目。各ライフステージ(新生児・乳児期、幼児期、妊娠・授乳期)における生理的特徴、食生活・栄養素の特性等を理解し、管理栄養士・栄養士に求められる栄養ケア・マネジメントや栄養教育の基盤となる知識を身につけることを目的としています。

 

地域住民が心身ともに健康で過ごせる手助けを!

 

坂本 千枝さん

島根県美郷町役場勤務
人間栄養学科2015年卒
(島根県松江農林高等学校出身)

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 現在、私は役場の管理栄養士として働いています。
入学前から健康増進・疾病予防を主とした行政の仕事に興味を持っていましたが、その気持ちをより一層強くしたのが卒業研究で、配食弁当を注文されている高齢者へアンケート調査を行ったことです。実際に地域で暮らしていく中で、食は非常に重要だと感じながらも多くの課題があることが分かりました。健康増進・疾病予防だけでなく、いかに心身ともに健康で過ごしてもらえるのか、その手助けが出来たらと思いました。
主な仕事内容は、町の健康づくり計画や食育推進計画に基づき、乳幼児健診での栄養相談、保育所・小中学校の食育教室、地域の料理教室等、住民を対象とした幅広い分野で「生涯を通じた健康づくりの推進」のための活動をしています。
職場の管理栄養士は、私1人ですが、近隣の市町・病院の管理栄養士と情報交換を行いながら業務に励んでいます。乳幼児から高齢者までの方が対象で、対象者の環境や状況は様々です。一人ひとりに合った対応が求められるため、在学中に学んだ調理技術や疾病の知識等をいかし、再度勉強をしながら取り組んでいます。
地域の方と直接顔を見て、お話して交流ができ、喜んでいただけていることにとてもやりがいを感じています。

 

卒業研究

4年次、卒業必修科目。各研究室の指導教員と研究テーマを決定。研究を通して、再現性や信頼性が重要であることを肌で感じながら、信頼性の高い結果が得るよう努力をし、その成果を論文としてまとめます。また、発表会を行い、問題解決能力、応用力、コミュニケーション能力を身につけることをねらいとします。

 

 

幅広い世代の方に栄養面や手作りの大切さを伝える管理栄養士に!

 

木原 瞳さん

株式会社ABC Cooking Studio
アクア広島スタジオ勤務

人間栄養学科2014年卒

(広島国際学院高等学校出身)

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 現在、私はABCクッキングスタジオに勤務しています。大学では、臨地実習を通し、毎日の食事が原因で生活習慣病となり制限食とされている患者さまがたくさんいらっしゃったことに驚きました。食事療法から生活習慣病予防の面でも食生活の大切さ、重要性を実感することができました。
この会社では、幅広い世代の方に栄養面や手作りの大切さをお伝えできます。健康な方がどんな食事をしたら病気にならず健康でいられるのか、病気は予防できるのもだからこそ伝えていきたい。そして、自分の好きな「食」について学びながら、自分も成長できると思いこの仕事に就きたいと思いました。
自分がきっかけで手作りを楽しんでくださる生徒様が増たこと、そして習い始めて「お家のお料理が美味しくなった」「家で手作りするようになった」など、生徒様から直接嬉しい言葉をいただけることが一番のやりがいです。
また、レッスンでは、大学4年間で学んだ栄養学や調理学・調理学実習の知識や技術がたくさん活かせています。レッスンに参加された方や生徒さまから感謝の気持ちをいただいたとき、本当にやりがいがあると感じています。

調理学

1年次履修科目。食材を調理して食物とするには、食品の種類、食品成分や機能、化学的・物理的性質や調理特性を知り、調理による成分変化を科学的に解明することが必要です。さらに食事様式について理解を深めることで、ひとの嗜好(おいしさ)を考慮した食事設計ができることを目的としています。