高等教育研究センター

センター長挨拶

 高等教育研究センター(Higher Education Research Center;HERC)は、広島文教大学(以下、本学)における教育実践の研究を推進する拠点として、2014年4月に設置されました。高等教育を取り巻く状況は、大学に対する社会の期待や要請の変化とともに、大きく変わりつつあります。こうした状況のなか、本学では教育の質を保証するためにカリキュラム・マネジメントやファカルティ・ディベロップメント(教員の能力開発)などに取り組んでまいりました。今後も継続して、そのような取り組みをさらに深化、発展させるために、そして何より学生の自己実現のために、教育改革・改善を推進してゆきたいと考えています。また、これらの活動を通して研究の成果を広く発信し、日本の高等教育に寄与できることを望みます。

 

高等教育研究センター長 田中崇教

 

 

組織図

高等教育センター
  高等教育研究センター運営委員会
   FD部会
   IR部会
   

※大学全体の組織図

※高等教育研究センターFD 部会及びIR 部会細則

 

高等教育研究センターの主な取り組み

育心の時間

 本学の教育理念は、「育心育人(心を育て 人を育てる)」です。この教育理念の実現のために、2014年4月からオフィスアワーを「育心の時間」として全学的に同一時間に設定し、すべての学生がすべての教員にアクセスをすることができるようにしました。この時間を活用し、授業についての質問や将来の進路についての相談はもちろんのこと、成績結果に基づく学修成果の把握を通した自己評価の実現などに利用することができます。
 また、毎月一回の「育心の時間」を「プログラム育心」として教育理念実現のためのプログラムを実施しています。

 

 

ICTの活用

 

■iPadの活用
 2013年度よりすべての入学生に学修ツールとしてiPadを配布し、現在では在学生全員が活用しています。代表的な活用方法としては、授業に関わる配布資料の一括管理、授業時におけるクリッカー、教材作成・配信システムの端末として、などがあります。

 

■Glexaの活用
 教材作成・配信システムGlexaを導入しています。このシステムを活用することによって、授業外学修への取り組みや、授業の理解度を把握することなどにより学修効果の向上を実現しています。

 

 

 

関連施設

■動画収録スタジオ

 動画を撮影・編集するための施設を設置し、教養教育の英語学修のための動画教材を作成しています。また、教育学科においては小学校の授業の導入に活用できる動画教材を学生が作成し、その成果を公表しています(今崎浩・橋村勝明「教員養成における動画教材作成の意義―算数科と国語科の実践から―」(『広島文教女子大学高等教育研究』第5号、2019年2月))。

 

 

研究活動

『広島文教大学高等教育研究』の刊行

 高等教育研究センターでは、更なる教育改善のために研究活動をしています。その成果として、研究誌『広島文教大学高等教育研究』を年1回刊行し成果を公表しています。

 広島文教大学学術リポジトリ (nii.ac.jp)

 

■HERCブックレットの発行

 高等教育研究センターでは、より良い教育の実現と質の保証とに向けて、学生に向けて「レポート・研究論文の書き方」や教職員を対象に「新任教員のための教員生活ハンドブック」を制作し、HERCブックレットとして継続的に発行しています。

 

ティーチング・ポートフォリオの作成・活用

 教員のこれまでの教育活動を自己省察し、改善に向けた計画を具体的に記載するティーチング・ポートフォリオを作成しています。また、その成果を公開して、教員同士における学び合いのネットワークの構築を図ってゆくツールにも活用しています。

 

 

島文教大学教育・研究活動支援制度

 広島文教大学における教育・研究活動の活性化を図ることを目的として、本学教員の教育・研究活動を支援する制度です。

 

<助成分野>

(1)個人及び共同研究

個人及び共同研究に対する補助。

(2)科学研究費申請促進(個人研究対象)

科学研究費助成事業への申請に対する補助。

(3)高等教育研究・実践GP助成

高等教育に関わる今日的課題についての特色ある教育実践(または研究例)に対する補助。

(4)出版助成

学科等の組織的教育実践または高等教育研究に関わる出版に対する補助。

 

各種研修会の実施

 ・FD・SD研修会

 より良い教育の実現と質の保証を目的とし、年2回実施しています。

 

<令和4年度夏季FD・SD研修会>

(分科会1)

ティーチング・ポートフォリオを用いた教育活動の改善

(分科会2)

業務に役立つツールの紹介

(分科会3)

教職課程認定大学実地視察を踏まえた教職センターの取り組み

(全体会)

就職課及び就職にかかるガイダンス等の活用状況、令和6年度以降の卒業・修了予定者の就職・採用活動におけるインターンシップで得られた学生情報の活用について

 

<令和4年度冬季FD・SD研修会>

(分科会1)

自己点検・評価に基づく内部質保証の推進・改善(ピア・レビュー)報告と近年の認証評価

(分科会2)

学生の図書館利用促進に向けて

(分科会3)

Teamsの基本的な活用方法について

(全体会)

本学の海外留学研修についてー東南アジアで異文化に出会うLCIC留学

 

<令和3年度夏季FD・SD研修会>

(分科会1)

教育効果を高めるために何ができる?―非対面授業に関する学内データに基づいて―

(分科会2)

オンライン授業におけるTeams・Glexaの活用

(分科会3)

近年におけるSDの動向―横浜市立大学公開SD研修会参加を経て―

(分科会4)

ティーチング・ポートフォリオの理解

(全体会)

GPS-Academic結果に基づく本学学生の特徴

 

<令和3年度冬期FD・SD研修会>

(分科会1)

Glexaを活用した授業課題の作成方法と提出課題の確認方法―初級編―

(分科会2)

データサイエンスの基本理解―数学が苦手な人のために―

(分科会3)

業務に役立つツールの紹介

(全体会)

本学における私立大学等改革総合支援事業を基点とした教育改革の現状と課題

(全体会)

令和3年度前期学生による授業評価アンケート結果の特徴

 

公開授業

 全学的に教授方法等のさらなる改善(工夫・開発)を目的として、公開授業を前後期各1回ずつ実施し、内部質保障の向上に取り組んでいます。

 

大学教職員研修会

 当該年度の教育研究活動を総括するとともに、次年度に向けての課題を明らかにすることを目的として、学長の主催で実施しています。

 また、広島文教大学教育・研究活動支援制度で採択された研究の成果発表も行っています。

 

■各種アンケートの実施・活用

「学生生活に関するアンケート(満足度調査)」

 学生生活や教育活動の充実、学修環境の整備・改善等を図るために、全学生に対し、前期に実施しています。

「育心アンケート(4年)・自己評価シート(1~3年)」

 学生生活や学修活動の支援体制や支援策を検討するための基礎的資料として、大学生活に関する適応感等を調べています。

「学生による授業評価アンケート」

 授業改善、教育環境の整備、公開授業等に大学として組織的に取り組み、教育の質の保証に資することを目的として、学生による授業評価アンケートを前期・後期に各1回ずつ実施しています。

「教育活動に関するアンケート」

 全教員に対して実施し、本学の「教育力」に関するデータ収集を行い、今後の教育活動の改善の基礎資料としています。また学内外に対して本学の「教育力」を説明する際の資料として活用しています。

 

■教育改善の事例
・「広島文教大学教育改善協議会を実施の実施」
 日頃から、教育改善を目的に、授業評価アンケート、学生生活アンケートなどを実施していますが、学生の生の声を聞くことで、さらなる教育の質の向上に取り組んでいくことを目的に本協議会を実施しました。
 授業、授業評価アンケート、教員の教育能力向上(FD)活動、育心の時間(学生の主体的な学びを支援する時間)、カリキュラム、キャリア教育(就職支援)について意見を伺いました。

 

その他

 広島市立広島中等教育学校との連携事業「探究ジュニア」の実施

 広島市立広島中等教育学校の「探究」の授業は、生徒が各自でテーマを決め、そのテーマに沿って問題提起から解決までを生徒自身で取り組むもので、本学学生はボランティアアドバイザーとして参加し、生徒の学びを支援します。高等教育研究センターは窓口として説明会などを企画しています。

広島市立広島中等教育学校との連携事業の説明会を実施しました | 広島文教大学 (h-bunkyo.ac.jp)