広島文教女子大学附属高等学校 オフィシャルブログ

式  辞  (平成31年度入学式)

式  辞  (平成31年度入学式)

 

うららかな日差しの中,穏やかな風に吹かれた桜の小枝が,新入生を手招きするかのように,ゆったりとその身を揺らし,薄紅の花吹雪をもって,新生活の始まりを祝ってくれています。

本日この佳き日に,本校平成31年度入学式を,清新な雰囲気の中 盛大に開催できますことは,本校にとりましてこの上ない喜びでございます。

衆議院議員 岸田文雄様,衆議院議員 河合克行様,参議院議員 森本真治様をはじめとする御来賓の皆様には,本日,大変御多用の中 御臨席を賜り,誠にありがとうございます。心から感謝申し上げます。

また,御列席の保護者の皆様,本日はお子様の御入学,本当におめでとうございます。式に臨む我が子の 希望に輝き決意に満ちた姿を御覧になり,感慨も一入のことと存じます。これから3年間,どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 さて,ただいま入学を許可した117名の皆さん。入学おめでとうございます。教職員・在校生一同,心から歓迎いたします。

我が広島文教大学附属高等学校は,今年で創設72年目を迎えた歴史と伝統を誇る学校です。創設以来,「心を育て人を育てる」の教育理念のもと,次世代を担う有為な人材を多数輩出して参りました。近年は,「複雑で変化の激しい21世紀の社会を,自立した女性として逞しく生き抜いていくために必要な資質・能力を育てる」ことを目標に掲げており,昨年度からは,多様性(ダイバーシティ)の中で生徒一人一人の個性を最大限に伸長させる教育を実践すべく「新しいコース・クラス」を設置して,最先端の教育改革を進めています。

新入生の皆さんには,本校を進学先に選んだ自らの決断に確信をもち,自信と誇りをもって,本校での三年間を過ごしてほしいと思います。 私たち教職員は,皆さんの将来の夢が必ず実現するよう全力で指導・支援いたします。

 この記念すべきスタートの時に当たり,まずは私から最初の講義を行うことといたします。テーマは,「高校生活三年間を有意義に過ごすために~心に留め置くべき三つのことがら~」です。

 有意義な高校生活のために心に留め置くべきこと,その第一点目は,「我が武田学園の『学園訓』に示された『理想の人間像』を自分自身の中に実現することを目指して,日々真摯に努力しなさい。」ということです。 本校の学園訓は,三箇条から成ります。

 「一 真理を究め正義に生き勤労を愛する人になりましょう。」 これは,学問的な真理,人の世・人生の真理を正しく認識することのできる人間を目指そうということで,人の心の「知(知識・知恵)」の側面の理想を述べています。

 「一 責任感の強い逞しい実践力のある人になりましょう。」 これは,だだの「物知り」に終わるのではなく,獲得した知識を有効に活用して自ら実践・行動していくこと,すなわち「知行合一」を図ること,また,「決めたことを最後まで責任をもってやり遂げる強い心」や「困難なことにも果敢に挑戦し最後まで諦めない逞しい心」をもつことなど,人の心の「意(意志)」の側面の理想を述べています。

「一 謙虚で優雅な人になりましょう。」 三つ目のこの訓えは,人の心の「情(情緒)」の側面の理想を示したものです。知識が増え実践経験も豊かになってくると,とかく人間は,自分のことを「天賦の才能に恵まれた偉大な存在」などと錯覚し,考えや行動が傲慢になってしまいがちです。古代ギリシアの哲学者ソクラテスが,「汝自身を知れ」と,「無知の知」の大切さを説いたように,この第三の訓えは,「『自分はまだまだ世の中や人生の真理・真実について無知である。』と考え,学び続ける。」 そのような謙虚な姿勢をもつことが大切だということを,また,そのためにも,他者に対する尊敬と思い遣りの心をもつことや,社会の風潮に流されることなく人間としての品性を保つことが大切だということを,示しているのです。

さて,「人格の完成」とは,人の心の「知」・「情」・「意」の全ての側面を十分に発達させて,理想の人間像に到達することだと考えます。そして,「人格の完成」を目指して自己を変革・成長させていくこと,すなわち「人格を磨いていくこと」こそが,「学ぶ」ということの本質であろうと思います。そうであるならば,「知」・「情」・「意」の理想を,極めて分かりやすく具体的に示した本校の『学園訓』は,まさに,人間性の理想を目指して歩んでいくべき「学びの道」の「道標」だと言うことができるでしょう。この確かな「道標」をたよりに,皆さんが,凛として清かな品格ある女性へと成長していってくれることを,心から期待しています。

続いて,新入生に心に留めておいてほしいことの二点目。それは,「自ら求めて主体的に学びなさい。」ということです。 現在,私たちの社会は,人工知能の開発をはじめとする科学技術の進歩,グローバル化の進展などを背景に,激しく変化しています。このため,「家や学校で親や先生から教えてもらった知識や技能が,自分が大人になってからもそのまま通用する」という保証は,全くなくなってしまいました。加えて,世界はどんどん複雑化し,人類がこれまで生み出してきた知識や技術では解決できないような未知の難題も,たくさん発生してくるようになりました。

このような時代,このような世界を生き抜いていくために必要なこと。それは,「今,自分の身の周りはどんな状況にあり,どんな課題があるのか」を,自分の目で見抜き,その課題の解決策を探るために,自分で情報を集め,自分で考え,自分の責任において決断し行動していくことです。 このため,今,高等学校や大学では,そのような「主体的に生きる力」・「自ら学ぶ力」を身に付けさせる教育へと転換していくための教育改革が進められており,大学入試も,「資料活用能力,読解力,課題発見力,論理的思考力,表現力」などを問う内容へと変化してきています。昔のように,「たくさん物を知って覚えている人が勝ち!」という入試ではなくなってきたのです。

授業では先生の説明をただ受け身に聞き,板書された内容をノートに写して帰り,テストのために覚える......これまでそんな勉強しかしてこなかった人は要注意です。そのようなやり方では,高校の勉強についてくることはできません。 授業の何倍もの時間をかけて予習や復習をし,その中で,「自分は何が分かっており,何が分からないのか」を明確にすること,分からない状態を解消するために,先生の話を耳を傾けて聴き,質問をし意見も述べる。そのような能動的な姿勢がなければ,これからの時代を生き抜くための「真の学力」は身に付かないのです。

 さて,新入生に心に留めて置いてほしいことの三点目。それは,「かけがえのない時間を大切にしなさい。」ということです。私が感ずるに,昨今の若い人たちは,往々にして時間に対して無頓着であることが多いようです。「自分には明日がある」ということを無邪気に信じ,時間のもつ価値・重みということについて特に考えることもなく,使いこなすべき携帯・スマホに逆に使われて,無為に時間を過ごしている人が多いように思われます。一方,先ほど述べたような「能動的で幅広く奥深い学び」を十分に行うには,高校三年間という時間は,あまりにも短いものです。ぼんやりしていると,何の結果も出せないまま終わることになるでしょう。

"Live as if you were to die tomorrow. Live as if you were to live forever."(明日死ぬかのように生よ。永遠に生きるかのように学べ)とは,「インド独立の父」と呼ばれたマハトマ・ガンジーの言葉です。どうぞ皆さん,高校生活の一日一日を,一瞬一瞬を,自らの志,夢・目標の実現を目指して,精一杯生きてください。時間というのは命の一部なのです。

最後に,私が座右の銘の一つとしている先人の言葉を,新入学の祝いとして皆さんに贈って,最初の講義を終えたいと思います。

"Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow. The important thing is not to stop questioning. "(昨日から学び,今日を懸命に生き,明日への希望を持て。大切なことは,問うことを止めないことだ。)

新入生の皆さんの本校での生活が,夢と希望に満ち溢れた,生き生きと楽しく充実したものとなることを祈って,式辞といたします。 皆さん,ともに励みましょう。

平成31年4月6日

広島文教大学附属高等学校 校長 河田敦之

2019年4月

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