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2025年4月18日
学校長就任のご挨拶並びに入学式式辞
学校長就任のご挨拶
春爛漫の季節を迎え、皆様におかれましては益々ご清祥のことと存じます。
この度、伝統ある広島文教大学附属高等学校の第15代学校長に就任しました岡 利道でございます。前任の本田和哉先生には、引き続き顧問としてご支援を賜ります。不慣れであり、三歩進んで二歩下がりながらの毎日になるかと存じますが、皆様どうかご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
今後は、「学校だより」のコーナーを設け、保護者の皆様向けに本校の教育について、その時々のトピックスについてなど、お伝えしてまいる予定でございます。また、このご挨拶に続きまして、4月8日に挙行しました入学式での学校長式辞を掲載させていただき、第二学年、第三学年の保護者の皆様へも私の気持ちをお届けしたく存じます。
最後に、この本校のウェブサイトのより一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
令和7年度 広島文教大学附属高等学校 入学式 式辞
寒く厳しかった冬が去り、歓喜に満ちた春が訪れた今日のよき日に、本校にとってとりわけ大切なご来賓と多くの保護者の方々のご臨席を賜り、令和七年度の入学式を挙行できますことは、この上ない慶びであり、衷心より感謝申し上げます。
ただいま入学を許可しました七十九名の新入生の皆さん、入学おめでとう。全ての在校生、教職員を代表し、歓迎の意を表します。皆さんは、この広島文教大学附属高等学校の生徒として、新たなスタートラインに立ちました。幾多の努力があってたどり着いたのですから、喜びも格別でありましょう。ご家族のお喜びも同様であったことと思います。教え導かれた中学校の恩師や、苦楽を共にしたクラスメイトの支えも忘れてはならないことです。多くの方々のおかげで今のあなたがいるという感謝の気持ちを大事にして、歩み始めてください。
武田学園は、昭和二十三年創立で、今年七十七周年を迎えました。広島県可部女子専門学校としてスタートしました。本校は、昭和三十二年に、広島県可部女子高等学校として開校し、幾度か校名変更した後、現在の広島文教大学附属高等学校となりました。学園創設者であり、本校の初代校長でもある武田ミキの女子教育にかける情熱、誠の精神を礎に、謙虚さを身にまとい、凛とした立ち姿の卒業生を多数送り出してきた、伝統を誇る私立女子高等学校です。私立学校ならではの教職員が一体感を持ってあたる教育により、生徒一人一人が存在感を持って落ち着いた学校生活を送ることのできる学校として、厚い信頼をいただいてまいりました。
ここで、本校において大切にし続けてきた武田ミキの教えについて触れておきます。これを見てください。文教生の必読書である『武田ミキ 育心』です。この本には、学園や大学・高校の設立・発展の様子が記されています。いずれ新入生にはゆっくりと読んでもらうことになっています。
本校の設立時期と武田ミキの「育心育人」の教育理念の形成時期は、ほぼ重なっています。武田ミキが、『育心』の中で直接的に自らの教育について語っている部分を紹介します。「要は心を育てる教育(人づくり)、知識技能の断片的な教育でなく教育が生活に結びつく教育、女性の性能の伸長教育によって、実力ある、役に立つ、間に合う人間の育成に力を入れているのである。」本校が産声を上げようとしていた頃に使われた「心を育てる教育(人づくり)」という言葉が、現在の「育心育人」「心を育て人を育てる」につながっていたのです。武田ミキの教えを熟知した本校の先生方の指導の下、しっかりと実力をつけるために、勉学やクラブ活動などに励みましょう。社会や人のために役立つ存在になることをめざして。
今、しっかりと私を見つめている新入生、あなたの心の内を想像してみます。新たなスクールライフへの期待が膨らんでいることでしょう。それだけではなく、大なり小なり不安もあるでしょう。そのあなたへ、安心して高校生活を送ることができるよう、本校では独自の「心を育て人を育てる」スタートプログラムを準備しています。今日から四月いっぱいは、「中学生から高校生(文教生)になる」という心の成長目標の下、明日九日から十四日までの四日間を使い、丁寧なオリエンテーションをしていきます。同じクラスや同じ学年の仲間を知ることから始まり、文教生としての主体性を持った学習の仕方と先生方のサポート体制を理解すること、あなたを優しく支えてくれる先輩生徒たちとの対面式を行うこと、本校の生徒会自治組織を知りその一員として一歩踏み出すこと、命を守る防災基本事項を確認することなどです。これらを体験することによって、不安など吹き飛ぶに違いありません。
五月以降、楽しくやりがいのあるイベントも待っています。六月にはスポーツの祭典・体育祭が、九月には心の豊かさを協同で育む文教祭があり、あなたの出番があります。伝統あるクラブ活動、はたまたユニークなクラブ活動もあり、愉快な先輩たち、個性あふれる顧問の先生方があなたの加入を待ちわびています。先に触れたオリエンテーション期間に、クラブ体験もありますので、じっくりと検討してみてください。その他にも、本校にはあなたの特性を発揮できる環境が整っています。レッツ・エンジョイ!
さらに触れておきたいことがあります。至近距離には広島文教大学があり、その附属高等学校であるというメリットを存分に生かすことのできる環境は、他の高等学校にはないということです。ほんの一例ですが、広島文教大学の姉妹校であるフィリピン国にあるラプラプセブ国際大学及び同大学施設内にある専用の学生寮を利用した短期語学研修に参加できることが挙げられます。大学生だけでなく、本校の生徒も希望すれば、海外で実地に体験学習ができる機会が得られるのです。専用施設利用により、割安の費用で、安全性も確保されています。本年度からの実施に向け、準備を進めています。あなたの視野が大きく広がり、異文化理解も深まるでしょう。レッツ・トライ!
ここで、保護者の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。本日は、お子様のご入学、本当におめでとうございます。三年後には、力強く羽ばたき、卒業していかれますよう、教職員一同渾身の力を振り絞る所存でございます。学校と家庭との絆をより強くすることが、お子様の成長に直結します。ご理解とご協力のほど、どうかよろしくお願い申し上げます。
最後に、新入生の皆さんに呼びかけます。誰にも天賦の才能があるということには疑う余地がありません。一人一人の顔が違うように、天賦の才能もそれぞれです。天賦の才能は、あなたの中で光り輝くものと言えましょう。その光りがより強く大きくなるよう、これからの三年間、この学舎で自分磨きをしてください。本校の教職員は、全力で応援していくことをここに誓い、入学式の式辞といたします。
令和七年四月八日
広島文教大学附属高等学校
校長 岡 利道