学会長あいさつ

 人間福祉学会は、人間福祉学科卒業生の「生涯学習」の拠り所となることを目的の一つとして、人間福祉学科の卒業生と教員を中心に平成14年12月に設立されました。設立以来、毎年、研究大会の開催、機関誌「人間福祉学研究」の発行等の事業を行ってまいりました。近年の社会の変化に伴い、福祉に対するニーズも、多様化しており、卒業生が専門職としてのキャリアを積むにしたがって、現場での課題に対して、新たな情報提供や、専門職同士の情報交換の必要性が出てきました。現在の社会には、少子高齢化社会の問題、社会保障の問題、子育て支援の問題、貧困の問題など、様々な問題が複雑に絡み合って存在し、これまで、医療、司法、学校教育の領域とされていた分野においても、福祉専門職による支援が必要となっています。
 さらに、近年の大規模な災害に際して、人々の生活を支えていく仕組みづくりが急務となっています。このような時代にこそ、「福祉」を専門的に学んだ人材が求められています。「福祉」を専門的に学ぶということは、専門職に就くということに限ったことではありません。地域社会の一員として、日々の生活の中での出来事を福祉的な視点で捉え、課題解決の方向性を見出していくことでもあると考えています。卒業生の中には、地域の福祉課題の解決を目指して活動している方もおられます。
 人間福祉学会は、このような卒業生の皆さまが、学び続ける場としての役割を担っていきたいと考えています。
 このたび、人間福祉学会のホームページを開設し、これまで以上に情報発信ができるようになりました。機関誌「人間福祉学研究」も電子ジャーナル化しました。今後、人間福祉学会を研究発表の場、情報交換の場として活用していただけたらと思います。
 会員の皆様、今後も学会発展のために、ご理解ご協力賜りますよう、お願いいたします。

人間福祉学会会長 木村敦子