すずらんひろば高陽への想い
すずらんひろば高陽のこれまでとこれから
すずらんひろば高陽責任者の植田智と申します。
平素より関係の皆様にはご厚情を賜り,深く感謝しております。
本ひろばが開設されましたのは2012(平成24)年10月。広島市地域子育て支援拠点事業(公募型常設オープンスペース)最初の登録団体として,安佐南区の「ひろばKUSU-KUSU」様とともにオープンいたしました。それまで,広島市が子育て支援策として初めて常設のオープンスペースを設置したのは,各区に1つずつ。運営協議会形式でいわば直営として設置され,安佐北区には可部に「スマイルあさきた」が開設されました。しかし,安佐北区には高陽地域と可部地域の大きな2つの拠点がありますが,双方の交通の便が悪いこともあり,高陽地域にもぜひ設置してほしい,との地元の強い要望がある中で,広島市からの補助金をいただいて,安佐北区唯一の大学である広島文教大学が運営することになりました。
運営にあたり私自身が唯一条件としてお伝えしたのは, “のんびり、ゆったり、わきあいあい” “ 見守りあい、支えあい、育ちあい” という本ひろばの2つのモットーのもと,そこに集う人たちが,スタッフ,ボランティア,利用者,広くは地域の方々の区別なく,「みんなですずらんひろばを作り上げていくという意識を持ってもらえるようにすること」と「ランチタイムを設けること」でした。このような施設は,ややもすると利用者は単なる「お客様」になりがちです。しかし,オープンスペースはあくまで子育て支援の「拠点」であり,その場だけで完結するものではありません。そこに集う人たちみんなで子育てを分かち合い,その分かち合いをひろばから地域に広げていくことが理想だと考えます。その意味で,利用する親子のみなさんも,お互いを見守り合い,育ち合っていただきたいと考えています。そして,そのための利用者同士の関係づくりの最も効果的な方法が「食を共にする」ことだと思っています。
ひろば開設から12年,私が思い描いたこの2つの条件は見事に実現されていると感じています。また,あちらこちらで「すずらんひろばを利用したことがある」「すずらんひろばには大変お世話になった」などの声をいただいており,このひろばが地域に根付いていることを強く感じています。
この事業は国の子育て支援策の一環として行われているものですから,制度の見直し等により活動内容は変わってきていますし,これからも変わっていくことと思います。しかしながら,すずらんひろば高陽の“のんびり、ゆったり、わきあいあい” “ 見守りあい、支えあい、育ちあい”というモットーは,そのまま子育て支援の基本的な理念でもあると考えていますので,これからも変わることはありません。
このモットーがひろば内だけでなく,広く地域全体の思いとして広げていくことができれば,この上ない喜びです。そのためにスタッフ一同,これからも頑張ってまいります。
これからも,すずらんひろば高陽をよろしくお願いいたします。