学長から皆様へのごあいさつ

学長就任にあたって

学長 角重 始

広島文教女子大学 学長 角重 始

[Profile]
島根県出雲市生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。広島大学文学部の助手を経て、1997年に本学文学部講師として着任。人間科学部に改組後、助教授、准教授を経て2009年に教授に昇進、2015年から副学長、翌年からグローバルコミュニケーション学科長を兼任。専門は日本文学(中世説話・寺社縁起研究、院政期音楽作法書研究)

 江戸の浮世絵師・葛飾北斎の富嶽三十六景に「神奈川沖浪裏」という一枚があります。小山のように盛り上がる荒波を大きく描き出し、波間に見え隠れする小舟には、荒波に呑み込まれまいと必死で身を寄せ合う人々の姿が見えます。そしてこの激しい情景のはるか先に、富士山の姿をやや小さく、しかし静かに端整に、北斎は描きとめています。話は飛びますが、近年の高等教育の状況を思うとき、私の脳裏にはいつもこの北斎の一枚がよぎるのです。
 この十年ほど、大学教育の質保証をめぐって、さまざまな取り組みが各大学に求められてきました。本学ではそのたびごとに有効かつ清新な取り組みを展開し、「教育力の文教」としての評価を確かなものとしてきました。この十年に絞ってみても、文教スタンダード21のスタート、BECCの開設、学修用のタブレット端末の配付、大学教育の質的転換を目指した「育心の時間」やアクティブ・ラーニングの推進、ラーニングコモンズの設置など、前学長 角重 始 先生のご指導の下で行われた改革の数々が挙げられます。
 それらの改革はいずれも多くの困難を乗り越える努力によって成し遂げられたものです。一つ一つの取り組みの都度、学生・教職員が汗水を流し、持てる力を注ぎ込んで実現したものばかりです。困難な状況の中で私たちがそのようにして取り組むことができたのは、荒波の向こうの富士の如くに、私たちの教育の理想を見通していたからではないでしょうか。私たちの教育の理想とは、武田ミキ先生が示してくださった建学の精神、育心育人の教育理念、そして三つの学園訓に他なりません。大学教育をめぐる大きな転換点を迎えた今こそ、ミキ先生が示された創設の思いに立ち戻ることが必要でしょう。
 高等教育の現状は決して安閑としたものではありませんが、学生一人一人を大切にする本学伝統の誠実な教育を改めて心に留め、地域社会になくてはならない大学として、堅実な歩みを続けてまいります。

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