第4回 すずらん賞 読書感想文部門 関連イベント

『私の1冊』(教職員) 〜お薦めの本(学生のみなさんへ)〜


非常勤講師
学園統括部
 
 
 
 
 
 
人間言語学科
 
石橋 民生先生

『逝きし世の面影』

渡辺 京二  平凡社 2005

 だいぶ前に読んだ本ですが、あの本おもしろかったな、と今でも時々思い出して、また読みたい気持ちになります。幕末に日本を訪れた外国人の印象記をまとめたもので、外国人の驚きをとおして、当時の日本人の生活をふりかえることができます。
 
小西 弘信先生

『沈黙』

遠藤 周作  新潮文庫 1981

 切支丹弾圧下の日本で、キリスト教の信仰を続ける厳しさと究極的に信仰とは何かを問う内容で、かなり悲惨な部分もあり重いですが、読んだ後に何か許された気持と孤独感から救われました。

 捕らえられたポルトガル人の若きイエズス会司祭が、ついに、彼の足をすり減った銅板に刻まれた「神」の顔に近づけ踏もうとしたとき、踏絵のなかのイエスが「踏むがよい。」と語っていたというくだりは今まで味わったことのない感動を覚えました。大事なものを捨てても仕方がない、裏切っても仕方ないと感じられたことと、これまで何かにこだわっていた自分を解放してくれました。また、昔キリスト教会に行って、感銘を受けた説教を思い出しました。

 ある男が自分の生涯を終える時、自分の歩いていた道を足跡という形として振り返ってみると、一番辛かった時期にその足跡がひとつしかなかったことに愕然として、「イエス様は常に私のそばにいてくださって一緒に歩いてくださっていたのではないのですか?このひとつしかない足跡はなんなのですか?私は結局独りだったのですか」と訴えたら、イエスは、「私は常にあなたの傍にいました。ひとつしかない足跡は辛い時私があなたをおぶって歩いていたのです。だからひとつだったのです。」とおっしゃったそうです。

 

森下 要治先生

『加藤周一セレクション5』

加藤 周一  平凡社(平凡社ライブラリー) 1999年(2009年第2版)

  昨年末亡くなった加藤周一の選集。さまざまな内容が並んだ全5巻で構成されているが、是非とも読んでほしいのはこの第5巻に収録された「『羊の歌』その後」。岩波新書として公刊され、すでに現代日本の名著の一つに数えられる半生記『羊の歌』のその後を語った作品である。

  多言は要すまい。「『羊の歌』その後」から印象的な一節を引用しておく。

 「私は旅し、考え、書き、ありふれた日常を生きた。その間には、また数少ない人を愛し、たしかに歴史と社会に超越的な経験のあり得ることを知った。もちろんそれは禅にいわゆる「世間」からの「脱却」ではない。またもとより「世界内存在」という人間の条件を超えたということではない。しかしその経験は歴史の流れと社会の拡がりのなかに決して埋没しない。」(454頁)

  この一節は、朝日新聞の特集記事で気づかされた。構えることなく、また卑屈でもない言葉がすがすがしい。

  私たちの日常には、どのような超越的経験があるだろうか。

 
人間福祉学科
 
佐々木 早喜子先生

『こころの日曜日』

菅野 泰蔵 法研 1994年

 まず、『こころの日曜日』という著名にひかれて手に取りました。1994年ですから少し古い本ではありますが、シリーズで第2弾もでています。初版のこの本は、45人のカウンセラーが語る心と気持ちのほぐし方・・・という副題の通り、様々な事例(プライバシー保護のため適度に脚色されたもの)が紹介されています。自分の中に悩みや不安やを抱えている人は、パラパラと目次あるいはページをめくってみると、どこか似通った事例を見つけて参考になるのでは・・・と思います。私自身も、物事がうまくいかなくて行き詰ってしまったり、落ち込んでしまった時に読んで励まされたこともあります。また、遠方で一人暮らしをしている息子が電話やメールで悩み事の相談をしてきた時に、「カウンセラーの本に、こんな風に書いてあったよ。」とアドバイスの参考にさせてもらったこともあります。一番いいのは、身近な友達や先生や両親に直接話して相談してみることです。お互いに相手のことを考えたり思いやるきっかけになるからです。それでも、なかなか解決の見通しがたたないような時は参考に、これらの本を手に取って見てください。ちょっとだけ、気持ちが楽になるかもしれませんよ。

 

三好 康之先生

『オバマ大統領演説―大統領就任演説完全収録 完全保存版』

コスモピア編集部偏 コスモピア(株) 2009年2月20日 (第3版)

   本書はCD2枚にオバマ大統領の就任演説をはじめとする5本のスピーチ、さらにオバマ氏に影響を与えたとされる大統領リンカーン、ルーズベルト、ケネディ、そしてキング牧師のスピーチを収録している。書籍には英文、対訳、語注と各スピーチの詳細な背景解説を掲載されており、バイリンガルの本といえる。アメリカは人権に関して、奴隷を解放し、女性の参政権を認め、黒人にも公民権があることを認めてきた歴史の過程がある。オバマ大統領の「自由」そして「変革」への戦いの系譜として、アメリカ建国の精神に立ち返って人種平等の精神を説いた「リンカーンのゲティスバーグ演説」、大恐慌のさ中に、政府の最も大切な仕事は、みんなが働けるようにすることだと説いた「フランクリン・D.ルーズベルト大統領就任演説(抜粋)」、大切なのは、国民は国になにかをしてもらうことより、国民が国のために何かをすることだと説いた「ジョン・F.ケネディ大統領就任演説」、そのケネディ大統領の人権政策を後押しした黒人公民権運動の指導者マーティーン・ルーサー・キング牧師は、1963年、「私には夢がある」と語りかけた。アメリカの公民権法は前大統領ブッシュ氏の父親が署名しているが、法案は暗殺されたケネディとキング牧師の合作であろう。本書は英語力をつけるために、CD及び全英文・全和訳が付いているが、人間福祉学科高学年生の、アメリカ合衆国における人権の歴史を感動を以て学習出来る本として適当である。

心理学科
 
小早川 久美子先生

『西の魔女が死んだ』

梨木 香歩  新潮文庫  2001年

 

 昔,13歳の女の子だったあなた、そして13歳の女の子と接する仕事につくあなたに、ぜひ読んでほしい1冊です。作者は梨木香歩,この作品で日本児童文学者協会新人賞を受賞しています。
   主人公の「まい」は中学1年生,今までクラス替えがあった時には,努めて明るく声をかけ,一緒のグループになる友達探しに心を砕いていました。ところが,中学の1年入学後,トイレにも連れ立っていくようなそんな関係がなぜか嫌になったのです。そして,気がついたらいつの間にかひとりになっていました。クラスの喧騒の中,女の子がひとりでぽつんと席にいる状況が想像できますか。
  学校へ行かなくなった「まい」は,母方の祖母の家に行くことになったのです。イギリス人で,魔女であるおばあちゃんは,山中の別荘のような所で一人暮らしをしています。「まい」に不登校のことについては何も聞きません。やさしくほほえみかけ,ここでは魔女修行をしてほしいといいます。魔女修行とは,早寝早起きをし,しっかり庭仕事や家事をすることなのです。
  実は,この本は映画化されていて,2008年に上映されました。すでにDVDも販売されています。映画になると原作と違いにがっかりさせられることも多いのですが,この映画は原作のよさを倍増させてくれました。軽井沢奥のような別荘地にあるイギリス庭園ふうの庭,ハーブの数々,すぐそばにはいちご畑,家は木造づくりで昔の家で,温室もある。風景や日々の暮らしを見ているだけで自然を満喫し,生活を楽しんでいる気分になりました。祖母の役はあのシャリー・マクレーンの娘であるサチコ・パーカーが演じています。彼女が「まい」に対して,慈愛に満ちたまなざしで,「I Know」ただそれだけを言うだけで,「まい」の存在そのものを認め,受け入れていることが伝わります。
  ラストは,「まい」が中3の時の祖母の死,お別れですが,これは伝えないほうがよいと思います。すべての魔法の秘密,いや魔法ではなく人生そのものの秘密がここに秘められています。「まい」とおばあちゃんとともに体験してみてください。  
                                   

注 「西の魔女が死んだ」公式ホームページ http://nishimajo.com/top.html
    2009年10月19日取得

 

人間栄養学科
 
林 由美先生

『へこたれない』

鎌田 實 PHP研究所 2009年6月5日

  知人から、「この本よんでみて」と貸してもらったのがきっかけで出合った一冊です。

  あたたかく、前向きな気持ちにさせてくれる一冊だと思います。

きっと、力が湧いてくると思います。

 

非常勤講師

 

碓井 巧先生

 『心と響き合う読書案内』

小川 洋子 PHP研究所 2009年

 本の虫を自認する芥川賞作家による若い人へのブックガイドだ。著者の本への愛は並みのものではない。「年齢を重ねる私に、本は待ってくれる。人間より我慢強い」と。

 選ばれた作品はノンフィクションを含む文学の領域に限られている。金子みすゞの詩から、村上春樹のデビュー作、フィッジェラルドの「グレート・ギャッピー」、そして佐野洋子の絵本まで、内外の52編である。作品に共通するのは、人生の真実一人間が隠し持っているヒリヒリした痛み、寂しさや切なさ、やさしさと残酷、青春の衝動から死の匂いまで、およそ脆い存在でしかない人間への謙虚なまなざしである。同時にそれは、著者の創作姿勢であろう。この本には、文芸時評にあるような、したり顔の時評はひとつとしてない。あるのは著者が苦しみぬいてたどり着いた言葉による表現と作品のそれとの共鳴、「心と響き合う」世界である。

 学生時代、本棚を飾った教科書やテキスト類は、引っ越しの度になくなっていく。(すぐれた教科書の効用を否定するわけではない。)残っているのは、自分の心の奥底で、いつまでも鳴りやまない思い出と重なる本、その多くは文学作品や思考を鍛えてくれた一部の専門書である。47歳の著者が選んだ52編のうち、76歳の私が読んだのは20冊に満たない。でも私はあわてない。本は待ってくれているから。

 

玉野 文江先生

 『手紙』

東野 圭吾 文芸春秋 1998年/文春文庫(2006年)

 弟想いの兄が、強盗殺人の罪で服役中、弟のもとには月一度、獄中から手紙が届く。だが、弟が幸せを?もうとするたびに過酷な運命が立ちはだかる。犯罪を犯すことの様々な背景を深くえぐり、私達読者に加害者(犯罪者)の人権、被害者の人権、両者をとりまく人達の人権について、深く考えさせられる内容であった。裁判員制度で裁判員になった時の為にも、一度は手に取り物事を多面的に捉え、考えることの糸口になればと思う一冊でした。通学、通勤途上で、皆様も是非ご一読下さい。集中すると2〜3時間で読め東野圭吾のファンになり、私は今、「秘密」「さまよう刃」「レイクサイド」etc・・読破しています。くれぐれも乗り越しのありませぬように!

 

藤沢 毅先生

 『雨月物語』

上田 秋成(大輪靖宏 訳注) 旺文社 1988年

  『雨月物語』は江戸時代中期に出版された「読本(よみほん)」というジャンルに属する書物です。全九編の話が収められていますが、副題に「今古怪談(きんこかいだん)」とあるように、不思議な話、怪しい話が集められています。エンターテイメントとしても読めますが、読者を誘導し、また驚かせる仕掛があちこちにちりばめられており、読み解く楽しさも味わえます。

  今回は、旺文社文庫のもの(現在、絶版で購入困難)を挙げましたが、様々な形で翻字、付注、現代語訳、マンガ化され出版されております。検索、あるいは直接書庫で探して手にとっていただけると嬉しく思います。 

 

学園統括部
 
安達 勝代(就職課)

『日本人の知らない日本語』

蛇蔵&海野凪子 株式会社メディアファクトリー 2009年

   ■「冷める」と「冷える」の違いは?
   ■靴下は「一足」、では手袋はなんと数える?
   ■「お手紙」「ご住所」、「お」と「ご」の使い分けルールってあるの?

 この本は、日本語学校の教師である海野先生が.外国人学生からの奇問・珍問に答えていくコミックエッセイです。コミック?と侮るなかれ!「へ〜」と唸る日本語と、「えーっ!」と驚く異文化がそこにあります。
  何より私が見ていただきたいのは、海野先生の仕事に対する姿勢です。どんなマニアックな質問にも応えてみせる!という強さと柔軟性、外国人学生を見つめる温かな目線から、何かを感じてもらえたらうれしいです。

 
井口 純平(人事課)

『外国人から見たニッポン』

岸 周吾 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009年

 著者が日本で出会った外国人に、日本についての印象を尋ね、それらをまとめた本です。回答をしてくれた外国人の写真が満載で、カラーでとても見やすいです。簡単な英語の勉強にもなります。

 いろいろな「日本」について、また、「日本人」であることについて考えさせられます。

 
石井 美絵(図書館事務室)

『配達あかずきん:成風堂書店事件メモ1』

大崎 梢 創元社推理文庫 2009年

 成風堂書店を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と勘の鋭いアルバイト・多絵が日常起こる謎を解く短篇集です。

冒頭の「パンダは囁く」では、寝たきりの、近所に住む本好きの老人から本を買ってきてと頼まれた近所の方からの相談事から始まります。
老人からは「いいよんさんわん」「ぱんだの出版社」という、頼まれた人には謎にしか思えない言葉が告げられます。書店員や本好きに取っては、「パンダ」といえば、すぐに察しがつくのですが、それだけでは謎??・・。あっと驚く暗号(ヒミツ)が解読されていきます。
次の「標野にて君が袖振る」では、コミック『あさきゆめみし』を購入した直後に失踪した母を捜しに来た女性。失踪した理由とは?と、書店の日常業務を描きながら、その中で謎を解いていくこの物語は、本好き、謎好き、書店好きを楽しませてくれる1冊です。

この本を読みながら、作品中に出てくる実在の本が読みたくなったり(架空の本も出てくるので、要注意!)、見方によっては日常には謎がいっぱいと、いろんな刺激を受ける本です。

11月には、続編『晩夏に捧ぐ』(長編)が文庫になる予定。どんな話なのかこちらも、今から楽しみです。

 
亀山 鈴鹿(図書館事務室)

『図書館の神様』

瀬尾まいこ 筑摩書房 2009年

 高校時代に全てを捧げていたバレーボールを、あることがきっかけでやめざるを得なくなり、自分がバレーボールを続けることはできなくても、せめてバレーボール部の顧問になりたいという思いだけで高校の講師となった清(きよ)が主人公です。結局、バレーボール部の顧問にはなれず、部員が一人だけの文芸部の顧問となった清ですが、文芸部での活動(部員の垣内君との会話が絶妙)、いつも気にかけてくれるやさしい弟(こんな弟がほしい)の存在などを通して、傷ついた心が少しずつ変化していきます。「思い描いていた未来とは違っても一歩ずつ進んでいこう」という、希望を与えてくれる1冊です。

 
小林  徳雄(学生サポート課)

『街場の教育論』

内田 樹   ミシマ社  2008年

 本書一冊で、神戸女学院大学大学院の2008年度の教育論(11講座)を受講した気分が味わえます。ちょっとお得かもしれません。

 また、大学での過ごし方や師(メンター)の見つけ方と関わり方についても触れています。この本をヒントに、文教のキャンパスで、物事の考え方や取り組み方も含めて、ありとあらゆる事を教えてもらったり学びとったりしてください。皆さんが実り多き学生生活を過ごせるよう願っています。

 
高橋 早苗(学生サポート課)

『あなたは たいせつな たからもの - Always on your side』

よしなが なおゆき 主婦の友社 2005年9月

 子どもに読み聞かせたいと思い購入、我が家のトイレにさりげなく置いている一冊です。

 イラストがかわいく、平仮名ばかり1ページひと言なのでペラペラめくっていく内に読み終えるところが子どもにもうけるようで、何度も繰り返し読んでいます。

 子を想う愛や親に注いでもらった愛がうまく表現されていて、短い時間で心がポカポカ温まります。

 
中野 真由美(総合支援課)

『芙蓉の人』

新田次郎 文芸春秋 1983年

 この本は、高校生のときに夏休みの「恒例行事」的な読書感想文の「推奨図書」として出会いました。

 舞台は明治時代。まだ天気予報もない時代に富士山の頂上に気象観測所を作ろうと奮闘したある夫婦のお話です。

 個人的に「夫婦愛」というよりも、どちらかというと「女性は家を守れ」という時代に奥様の千恵子さんの「姿」に心打たれたこと。「当時の女性がここまでできたんだから」と前向きな考え方をもてるようになったきっかけの一冊。

 今振り返ると、「豊かになった時代だからこそ、見えない何か」を教えてくれたんじゃないかなぁと思える一冊かと思います。

 
中本 佳代子(総合支援課)

『326 ナカムラミツル作品集』

ナカムラ ミツル マガジンハウス 1998年

 スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋!秋はとても過ごしやすい爽やかな気候で、読書をするにはもってこいの、良い時期です。そこで、この度紹介します本は、「326ナカムラミツル作品集」です。本というより、詩集に近い本で、学生のみなさんにとってとても共感できる詩が多くあるのではないかと思います。この本は、詩のほかに、イラストも満載で、著者自身が全て詩やイラストを描いており、読みやすい詩集となっています。

みなさんが、気分が落ちこんだとき、悲しいとき、うれしいとき、楽しいとき、怒っているときになどに、ぜひ手にとってこの詩集を読んでみてください。ほんの少し、和やかな気分になった気がしますよ!!

 
新重 智美(図書館事務室)

『あなたが変わるまで、わたしはあきらめない ―努力する心の育て方』

井村雅代・松瀬 学 光文社 2009年

 シンクロのコーチとして出場したすべてのオリンピックでメダルを獲得した、女性指導者の井村雅代さんの本です。世界的な選手を数多く育てた、世界的な指導者が女性として、希望の見えない迷いの時代を強く生き抜く方法を語りつくしています。井村コーチが直接、自分に話をしてくれているかのような数々の力あるはっきりとした熱い言葉に心動かされ、パラパラと本をめくるだけでも、自信を持って しっかりと前を向いて歩いていこうと思える自分になれる本です。何かに行き詰まりを感じた時、大きく後押しされると思います。
 
西 和子(図書館事務室)

『遭難』

松本 清張 双葉文庫 2008年

   今年が生誕100周年にあたる、松本清張氏の作品です。

 戦後の社会派ミステリー作家の大家ということで、なにやらとっつきにくいメージを抱いたものか、自分の中ではやや敬遠していたのですが、優れた登山家としても敬慕しているある人から薦められて手にしたところ、たちまち虜となって、最近は遅まきながら夜な夜な清張作品を読みふける毎日です。

 『遭難』は、山に熟知したある男が私恨により、遭難と見せかけて巧妙に殺人を犯すという筋です。不審に思った被害者の遺族が、やはり山に詳しい知人を頼み、その真相を探ろうとします。人間の心がせめぎあう、息を呑むような展開に惹きつけられながらの衝撃の結末!その余韻に浸りながら、同時に、山という自然への対峙の仕方に、人生のあり方と通じるものを感じ、短編ながら、ほんとうに読み応えがありました。

 身近に本を薦めてくれる人がいて、夢中にさせられた本がある―そんな幸せを満喫しています。

 
 福永 淳(参与)

『読むくすり』(全37巻)

上前 淳一郎 文芸春秋社 昭和60年〜

  昭和60年代から週刊誌のコラム欄に掲載されたものを中心に編集し、カッパブックで刊行された「アイディア」「データ」あらゆる分野の情報の宝庫であり、一般常識の研鑽に良い資料となります。内容も豊富で短文なので、チョットした時間で楽しめます。社会人となるための良い資料となります。(当初は、カッパブックで発刊され、読み終えると近くの人へ廻しました。再度、読みたくなり古書店で単行本を求め、その一部は淳風寮へ廻しています)

 
 穂垣 由恵(入試広報課)

「甘苦上海(かんくうしゃんはい)」

高樹のぶ子 日本経済新聞朝刊小説 2009/10/31で連載終了

 とにかく毎日新聞が配達されるのが楽しみでした。朝が忙しく連載小説を読めなかった日は、家に帰って読むのが楽しみ。新聞の連載小説は、毎日ほぼ同じ文章量と時間で読書を楽しむことができます。 10月31日で連載が終了した日本経済新聞連載、高樹のぶ子さんの「甘苦上海」は、アジア経済の主要都市となった中国・上海で生きる日本人女性企業家を主人公にした「恋愛小説」・・・と、連動サイトには書かれています。確かに「恋愛小説」ではありますが、読み進めていくうちに、日夜発展を続けていく上海の様子、一方で豊かな自然と歴史を残した中国の景色と人々の暮らしがイメージできるようになりました。

 さらに、上海に進出してエステサロンを経営する主人公早見紅子(52才)の生き方と自分の生き方とを合わせ鑑のように見つめることもできました。学生のみなさんには、自分の保護者(母親)と同じ年代の女性が、また自分がその年代になったとき、どこで働き、どんな人を愛し、何を感じながら生きているのだろうか・・・?とイメージを膨らませながら読んでいただきたい小説です。新聞に掲載されている小説は、「読む」習慣をつけるのには最適な読書法にもなるのでお薦めいたします。

 
 堀井 文子(図書館事務室)

『人は「話し方」で9割変わる』

福田 健 経済界 2006年

  最近 書店で惹かれたタイトルがこれでした。正に、『人生のバイブルだ!』と思いました。

 人生長くやっている分、失敗談も多く、その度に「言葉」「会話」の重みを痛感させられました。自分の意向を的確に伝えられなかったり、時には思わぬ方向に展開して行ったりと、残念無念な思いをした事も数知れません。本書は、そういった失敗を未然に防ぎ、相手とのコミュニケーションをより密なものにするなどの秘策満載です。たったひとつの言葉が足りないことで、誤解を招いたり、同じ内容でも、話し方ひとつで肯定的にも否定的にも変わって受け止められます。大したことではないようですが、実は、人間関係を上手く保つ上で、とても重要なことであり、恐ろしいことなのです。そういった点でも、本書は、老若男女の赤本!と言っても過言ではないと思います。生物の中で、唯一 言葉で会話できる「人間」だからこその醍醐味と捉え、本書を熟読し、紹介されている会話術を自然体でマスターできれば、自身の向上に役立つこと間違いなし!

 明るい人生を歩む為の『バイブル』必見です!!

 
 三戸 直子(経理課)

幸せの作法働く女性に贈る61のヒント

坂東 眞理子 アスキー新書 2009年

  

この本はこのタイトル通り、様々な立場を抱えながら働いている女性に贈る温かいメッセージが満載の本です。

働ける環境があることの有難さなど、理解はしているつもり、意識もしているつもりでしたが、この本のメッセージは、心の中にすっと素直に入ってきました。

忙しい毎日を送る中で、意識せずに過ごすことも多かったりしますが、そんな時にこそこの本を読み返したい、そんな思いにさせてくれた本です。

 
山田 恭子(総合支援課)

『すごい空の見つけかた』

武田 康男 草思社 2009年1月

 空を題材にした写真集は、たくさんあります。

  この本よりも、もっと綺麗で、もっと迫力のある写真を集めたものも、もちろんあります。

 ですが、本を見た次の瞬間に、自分で空を見上げて「すごい空」を探すのであれば、この本がおすすめです。

  気象予報士であり、高校の地学教諭であり、第50次南極地域観測越冬隊員でもある著者が、気象写真の専門家として添えた解説が、とても判りやすいです。どんなときに見られるか、その気象条件や場所、時間帯なども解説されているので、自分でもいつか「すごい空」を見ることができるかもしれない――。高い秋の空を眺めながら、そんな気分にさせてくれる一冊です。