第3回 すずらん賞 読書感想文部門 関連イベント

『私の1冊』(教職員) 〜お薦めの本(学生のみなさんへ)〜


非常勤講師
学園統括部
 
 
学長
 
角重 始先生

『滝山コミューン1974』

原 武史   講談社  2007年

 
 日本近現代政治思想史の研究者にして、講談社のPR誌『本』に人気エッセイ「鉄道ひとつばなし」を連載中の鉄道マニアとしても知られる著者の自伝的ノンフィクション。1960年代末につくられた西武沿線のある団地の小学校に通う著者の記憶によって語られる学校風景は、戦後民主教育の輝ける時代の実相を見事に炙り出すものとなっている。「教育者」の言説につきまとう〈いかがわしさ〉の正体がほの見えて、読みながら得心することが多かった。
人間科学研究科
羽生 義正先生

『日本語とアイヌ語』

片山龍峯著 すずさわ書店 2004年(新装版)

 日本語の由来にかんする研究の1つの業績ではないかと、門外漢ながら思います。 日本語の由来に関心をもつ学生諸姉にとって、なんらかの刺激になればと思います。
人間言語学科
 
石橋 民生先生

『千一夜物語』

岩波書店

 アラビアの民話集。千話もあってたいへん、と思うかもしれませんが、有名な作品(シンドバッド、アラジン、アリババなど)をひろいよみしてもよいし、13巻のうちどの1冊でもOKです。ほとんど短編、中編なので読みやすいです。

 

森下 要治先生

『清唱千首』

塚本邦雄   冨山房  1983年4月1日

 言葉は大切に読み味わいたい。ただ残念ながら、現代はそうしたほんの小さな欲求を満たすにも、あまりに慌ただしすぎる。本一冊を読むための時間を絞り出すことが、いかに難しいことか。

 そのような時、詩歌は案外と短い時間で、宝石一粒一粒のような言葉の輝きを確認させてくれる。しかも、そこに目利きの案内人がいたら、なお嬉しい。

  そういう本だと思っていただきたい。派手な装丁、きらびやかな売り文句で飾り立てられた本が多い中で、この本を含むシリーズ「冨山房百科文庫」はとにかく地味な存在だ。だがページを開くとそこに広がるのは、日本語が千年以上をかけて紡ぎだした和歌の綾錦である。

 少しだけ時間が空いた時、手に取りたくなる本たちの、その中でも大切にしている一冊である。

 
初等教育学科
 
青山 佳矢先生

『西の魔女が死んだ』

梨木香歩 新潮社 2001年

 心があたたかくなる本です。映画を見られた方も、ぜひ読んでみてください。

 

浴野 雅子先生

『氷点』

三浦綾子 朝日新聞社 1965年

 大学時代にクリスチャンの友人が20歳の誕生日に贈ってくれた書物です。私の生まれた年に朝日新聞の小説大賞をうけたものです。様々な運命の糸がもつれあいながら、人間のエゴや愛情、憎悪が織り成す人間劇とその赦しにひきこまれて、一気に読み、続・氷点も読みました。クリスチャンの作者らしく、人生訓もちりばめられていて、青かった私には真剣により深く生きることの厳しさと重さを教えてくれた貴重な1冊です。「かくのごとき人生であったか、ならばもう一度」、自分の治療できない傷の包帯はとかないという考え方(記憶に間違えがなければ)は、心理臨床の世界にいる私を今でも支えてくれています。

 

杉山 浩之先生

『個性ふれあう子供群像』

竹田正雄 能登印刷出版部 1994年

 題目にあるように、子どもの個性(生き方の全体像)が、教室の中で、どのようにして育っていくのかを実際の資料によって明らかにした本である。半世紀に渡り、全国の教師たちから注目されてきた堀川小学校(富山市)の教育の真髄が描かれている。著者は同校の校長であり、「人となりの豊かさへの教育」を約40年間の教師人生を通して追究してきたと述べている。

 教育を専門とするしないに関わらず是非読んで欲しい本である。

 
村上 典章先生

『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』

門田隆将 新潮社 2008年

 単に衝撃的な事件の知られざる部分がわかるというだけでなく、人間や価値ある人との出会いについて考えさせられました。

 是非、一読してください。

 
吉田 裕午先生

『納棺夫日記』

青木新門 文春文庫 1996年

 ひとはみな、おくりびと、おくられびと、というロゴが強烈です。観るべし!読むべし!!

 きっと読後には、自分の生き方も変わり、生まれ変わっているかも!?

 壮絶な「横超」が当面の課題になりそう。大乗の人は素晴らしいです!!!

人間福祉学科
 
上田 智恵先生

『クレヨン王国 ようこそゆうれいひめ』

福永令三 講談社 1998年

  この絵本は、私が小学校の頃から好きな作家さんと画家さんが出した絵本です。

  あらすじとしては、元気をなくした女の子に、王様たちが色々な方法で女の子に働きかけていき、女の子が元気を取り戻していくといった内容です。

  最初は、絵本ということもあり、絵のかわいさや色の鮮やかさに惹かれてお気に入りだったのですが、文章についても、この作家さんらしく、そっとあたたかさの残るものだと思います。

  もし機会がありましたら、お手にとってみてください。

 

木村 敦子先生

『知ることより考えること』

池田晶子 新潮社 2006年

 私たちは、生活する中で多くの情報を得ています。しかし、その情報から得られたことについて、考えているのでしょうか。このエッセイは、日常私たちが目にしたり、耳にしたりすることについて、「考える」とはどういうことかを考えさせられます。

 分かりやすい文章で書かれた哲学エッセイです。

 

佐々木 早喜子先生

『たまった「疲れ」が驚くほどとれる本』

ヘルスケア研究会 永岡書店 2003年

 この本は、ベストセラーでも感動の一冊でもありませんが、私が介護の仕事をしている頃にみつけて、活用していた本です。頭が痛い、気分がすぐれない時でも、なかなかお休みをとれない現場では、体調を管理しつつ、利用者の方にケアを提供することが必要です。具合の悪い時は、ゆっくり休んで、病院でもちゃんとみてもらうことが基本ですが、それができない時の対応策として、仲間達と共に、協力しあっていました。皆さんも若いから、元気だからと自分の体を過信せず、自分の体・心と対話しながら大事にして下さい。そのことが、他の人のことも思いやれる気持ちに通じるのでは、ないかと思っています。元気のヒントがたくさん書いてあるので、みつけたら読んでみて下さい。

 

菅井 直也先生

『小説 教育者』

添田知道 玉川大学出版部 1978年

 明治24年から相模の山奥や東京の田舎の小学校に勤務した、坂本竜之輔という実在の教員の生涯を綴った伝記のような小説。江戸幕府崩壊から明治期の、因習や貧困、疲弊の底に苦しむ地域の生活とそこでの教育の苦闘が描かれる。21世紀前半の日本の子どもたちにも、実はこれに近い底辺状況が出現しつつあると見られるが、その意味でこの小説を読んでおくと、彼等との関わりに求められる教育・福祉の本質がつかめる名著。

 

太原 牧絵先生

『ホームレス中学生』

田村 裕 ワニブックス 2007年9月

  学生さんに貸してもらい、読ませてもらったのですが、とてもおもしろくて一気に読み終わりました。同じ世代(私の方が若干年上ですが…)に、こんなにも逞しく、明るく、困難を乗り越えた一家があったのだなぁと考えると、私も頑張らないと!!という思いになりました。

 

中村 卓治先生

『五体不満足』

乙武洋匡 講談社 1998年

  本書は、当時精神科医療の現場で精神障害者の生活支援を行なっていた私に大きな影響を与えた一冊です。

  「障害は不便です。だけど、不幸ではありません。」という本の帯に書かれていたキャッチフレーズに惹かれて何の気なしに購入しました。

  しかし、その中身は単に障害についてだけではなく、生活していく環境が人々にどれだけ大きな影響を与えるか、肯定的な人間関係がどれだけ人を強くしていくかといった、我々人間が生きていくためのヒントがたくさんちりばめられていました。あらためて現場実践をとらえなおすきっかけにもなりました。

  「人生の幸不幸はまわりの人々が決めるものではないこと」「他者からの肯定的なメッセージは、その人の持つ生きる力を大きく育むこと」などは、利用者の人生に寄り添う専門職としてのかかわりのヒントになると思います

  教壇に立ち皆さんに障害者福祉を教えている今日の私自身のバックボーンのひとつとなった作品です。

  ご一読ください。

 

溝渕 淳先生

「街はふるさと」( 『坂口安吾全集 文庫版 8巻』所収)

坂口安吾 筑摩書房 1991年

  短編(集)は読む人を選ぶので、長編をゆっくり読むことにも挑戦してほしい。この小説は場面に応じてメインとなる人物が替わるので多少混乱するところもあるが、最後まで飽きずに読むことができる。

  特に登場人物の中の女性たち(記代子, ルミ子、 礼子, せつ子など)の在り方、生き方は、それらに対する嫌悪感のようなものも含め、皆さん自身の人生について多くの示唆を与えてくれるように思う。宇野千代や岡本かの子などよりも、いまの人には受け容れやすく、わかりやすい人物像ではないかと思う。じっくり向き合ってほしい。

  安吾をはじめ、太宰や織田作之助など無頼派の作品は時々無性に読みたくなるものが多いです。

 

三好 康之先生

『日々 ごゆだん なきよう 幸せを呼ぶ礼法入門』

上田宗冏 ( うえだ そうけい ) 角川書店 2007年6月

  本学には「育心 育人」の教育目標があり、日々教職員・学生が一体となって、この教育目標に到達できるよう努力している。

  著者は、武家茶道四百年の歴史で培った「ウツクシキ」所作の秘訣をやさしくまた具体的に「カンタンな工夫の積み重ねが、本物の美人を作るのです。」と述べている。

  私の住む三篠小学校区内の三瀧寺の参道を登り詰めるとそこには上田家が浅野藩の国換えに伴って、遠く紀州から運ばれた縁があるという「四代目の宗箇松」が育っている。

  こうした長い歴史を引き継ぎ、広島県民いや全国の多くの方々に引き継がれてきた上田宗箇流の所作の神髄を、この一冊で理解できないにしろ、図入りの解説もあり、「立っているだけで美しい!」美人になるための入門書といえる。

心理学科
 
秋山 幹男先生

『目に見えないけれど大切なもの』

渡辺和子 PHP 2003年 (文庫)

 子ども時代にトラウマ体験となるような父の死に遭遇した彼女が、学びの後修道女会(ノートルダム)に入り、若くして女子大学の学長として、岡山に赴任する。

  人を愛すること、無心の愛を求める(と思われている)ことを求められているのに、やはり苦手な人もたくさん周りに存在する。そんな素直な心をも避けることなく前向きに受け止めていく。そこには、人間としての生き方、関わり方があり、どんな方法でも安らぎと強さが手に入ることに触れている。

  お薦めの一冊!

  (姉妹本):マザー・テレサ, 渡辺和子訳『マザー・テレサ』PHP文庫 2000年

 
岡部 未来先生

『ポンキッキーズの101メッセージ  一分間パパ・ママ学』

P-kies(編) ネスコ発行/文藝春秋発売 1998年

  子ども番組「ポンキッキーズ」の”一分間パパ・ママ学”というコーナーの内容をまとめた本です。

  色々な分野で活躍されている101名の方が、”子ども”をテーマに書かれています。

  自分には無かった視点がたくさんあり、オススメです!

 
西田 行壯先生

『大人が絵本に涙する時』

柳田邦男 平凡社 2006年

 絵本とは子どものためのものという誤解が、まだまだ社会には多くあります。もちろん、絵本の対象は子どもが第一ですが、実は人生経験豊かな大人が読むことによって、更に描かれている内容を深く味わうことができます。絵本を読むことによって、自分自身の生き方や心の持ち方、身近な子どもたちの心の成長の支援を行ううえでも、大変役立つでしょう。
 
松本 一弥先生

『ぐっすり眠れる3つの習慣』

田中秀樹 ベスト新書 2008年

 本書は、不眠に悩む人と周囲の人々に向けた「生活リズム健康法」を提唱しています。またクライエントの日常生活を見直し、健康を回復させていく上にも、臨床心理ケアーを目指す人にとっても必読の本とおもいます。

人間栄養学科
 
林 由美先生

『ルドルフとイッパイアッテナ』

斉藤 洋(作) 杉浦 範茂(絵) 講談社 1987年5月

  この本との出会いは、私が小学校の頃です。物語の主人公は、ルドルフという黒ネコ。
当時は、ストーリーに引き込まれ、図書館から何度も借りてきて夢中になって読んでいました。

  学生の頃にふとこの本のことを思い出し、どうしても読みたくなって本屋さんへ向かったのですが、大人になって改めて読み返してみると、当時はなんとなくしか分からなかった、この本に込められたメッセージのようなものに気づき、なにかとても新鮮で不思議な気持ちになったのを覚えています。友情、絆、勇気、他人を思いやる心‥etc、人と人とのつながりの中で大切にしなければいけないことがこの一冊に詰まっているような気がします。こども向けの本ですが、今でも大切にしている一冊です。続編としてあと2冊、シリーズで出ているので、ぜひそちらも合わせて読んでください。

 
鶴永 陽子先生

『明日もまた生きて行こう』

横山友美佳 マガジンハウス 2008年5月

  著者の横山友美佳さんは、現在日本女子バレーボール界をリードする木村沙織選手と同じく、将来を期待されていた選手でした。しかし、18歳の夏に癌の宣告を受け、一生懸命練習してきたバレーボールを続けることができなくなりました。それでも彼女は、苦しい闘病生活を続けながら、早稲田大学への入学を夢見て必死に勉強し、その夢を叶えます。しかし、入学してまもなく、すでに癌が転移して、残りわずかの人生ということを宣告されます。最後の夢として、取り組んだのがこの本です。亡くなる1週間前まで書き続けたこの本には、彼女の無念さと今生きている人たちへの強いメッセージが込められています。

  この本を是非読んで下さい。何となく生きている時間が、とてもありがたく思えます。今悩んでいることがとても小さく思えます。

非常勤講師

 

赤迫 照子先生

学研の図鑑 『植物』

監修:大井次三郎 指導・執筆:池田健蔵,山田卓三 学研 1978年

 ※新訂を繰り返し、2007年にも出版されました。

 子どもの頃から、図鑑や事典を眺めるのが好きだった。この本も我が家にあった一冊だ。植物に限らない。動物でも鉄道でも人体でも何でもいい。「何か」の名前と解説、写真、図解がずらりと並んでいる本が好きだ。ただ、残念ながら暗記が不得意。荒俣宏のような博覧強記に憧れるが、私はただぱらぱらと頁をめくり、溢れんばかりの情報を浴びるだけ。でも、それが楽しい。「お、世界には色んなものが溢れているのね」とか、「こんなものにもちゃんと名前が付いているのね」などと確認するのが、楽しい。

 とはいえ、せっかく読むのだから、やはり知識を自分のものにしたいと思う。私は花の名前をいくつ知っているのだろう。野ではなく、机の上で得られる知識には限界があるのかもしれない。それでも今、私の目の前にある木、草、花の名前を少しでも知りたい。もしも今日、この花の名前を知ることができたならば、明日、目に映るこの景色は違うのかもしれない。そんな期待がないと、つまらない。「あっ。これ、本で見た」という発見を、いつか終わりを迎えるときまでずっと続けられたら、と願っている。何かがわかると、嬉しい。

 

碓井 巧先生

 『言葉を恃む』

竹西 寛子 岩波書店 2008年

 広島出身の作家、評論家である著者の講演集である。古典の和歌、俳句から、野上弥生子、川端康成、「夏の花」の原民喜論まで、広く文芸を取り上げながら、著者の眼差しは一貫して「言葉で生きる尊さと喜び」に置かれている。一度、「瀬戸内の文化」を語るシンポジウムで、ご一緒したことがある。雁木(がんぎ)を打つ波の音を「ザブン、ザブンではない。ギチ、ギチに近い」と語った。そして松風の音。「激しい音ではないが、小さくもない」。この本の中でも、「大きなことを書こうと思ったら、小さなことを丁寧に書くしかない」と述べている。日常も、言葉も、ぞんざいに関(かか)われば、必ずお返しがくる、というのが、著者自らのいましめだ。多数の作品の中から、近著を選んだ。

 

藤沢 毅先生

 『近世説美少年録』1

曲亭馬琴 小学館 1999年

 「お薦めの」とは言えないかもしれませんが、『私の一冊』となるとこれしかないようです。大学3年生の時にこの作品と出会ったばかりに、内々定をいただいていた企業に断りを入れ、大学院進学を決定し、さらにこんなふうに大学の教員になってしまいました。全てこの作品がきっかけです。言ってみれば、人生変えちゃった作品です。当時は有朋堂文庫の2冊本(大正5年刊)で読みましたが、今は小学館の新日本古典文学全集に入っています。しかも、現代語訳や注釈付き。読みやすくはなったのですが、私としては有朋堂文庫で夢中になって読んだことも忘れられません。どんな話かというと、悪い美少年と良い美少年が…、ああ、もうスペースがない!

学園統括部
 
武田 義輝部長

『上杉鷹山』上・下

竜門冬二 学陽書房 1995年

 江戸時代中期の第9代米沢藩主、上杉鷹山(1751年〜1822年)について書かれた本です。

 当時の米沢藩は、莫大な借財に苦しみながらも、藩祖上杉謙信からつづく名家であるという誇りから、相変わらず豪華な暮らしを続けていました。そんな中、上杉鷹山は、破綻寸前まで悪化した財政を、質素倹約と殖産興業を同時に行い、財政再建に尽力しますが、改革も一筋縄ではいかず、古い体質から脱却できずに指示に従わない家老団に苦しめられることになります。しかし、卓越した手腕と長年の努力によって、財政は建て直り、飢饉の年には、回りの藩が飢えに苦しむ中、米沢藩は餓死者を一人も出さないばかりか、回りの藩に米を支給する程になります。現代では、江戸時代屈指の名君と讃えられています。

 ちなみに、J.F.ケネディが来日した際、「尊敬する日本人は ?」と聞かれ「上杉鷹山」と答えたが、居並ぶ日本人関係者はその名を知らなかったと言うエピソードはよく知られています。また、「成せは成る 成さねは成らぬ 何事も 成らぬは人の 成さぬ成けり」の歌を詠んだ人物としても有名です。

 
武田 義輝部長

『秘密』

東野 圭吾 文藝春秋 2001年

 

 妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった・・・

映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーとして話題をさらった小説です。

 娘の身体に妻の心が宿ってしまい、お互いの立場と深い愛情の狭間で激しく葛藤する難しい場面を見事に描写しています。

著者の東野圭吾は「手紙」「白夜行」「流星の絆」など、数々の作品がテレビ化・映画化され、今最も注目されている作家の一人です。まだ、東野圭吾の作品を読んだことがない方は、是非一度読んでみてください。

 
安達 勝代(人事課)

『自分の気持ちをきちんと伝える技術』

平木典子 PHP研究所 2007年

 私は、アサーションと出会い、人と人とのおつきあいに前ほど気負わなくなりました。

 人にどう思われるか気にして言いたいことが言えなかったり、ちょっとしたことで言い過ぎてしまい「シマッタ(T_T)」の繰り返し。その原因は、自己表現のスキルと方法がわかっていなかったことにありました。だとしたら・・・スキルを学べばいいのです。

 この本は、アサーション・トレーニングの第一人者平木典子先生が、初めてアサーションにふれる人のために書かれた一冊です。

 
井口 純平(学生サポート課)

『人生の100のリスト』

ロバート・ハリス 講談社 2008年

 人生いつでも可能性は無限!!ということで、自分にはできそうにないけど、やってみたいことに対して、 一歩踏み出すきっかけになる本です。
 
石井 美絵(図書館事務室)

『QED 百人一首の呪』

高田崇史 講談社 1998年12月/ 2002年12月(講談社文庫)

 この本は、ミステリ(本格ミステリ)といわれる本であるが、殺人事件の謎解きよりも、もうひとつの謎である「百人一首配列の謎」の解明に面白さがある。

 もう何年も前になるので、細部まで思い出せないが、学生時代に、作中にも紹介されている織田正吉著『絢爛たる暗号』集英社を読み、『百人一首』の歌は、歌と歌が連鎖するように選んでいるため、選ばれるべき歌人が選ばれていなかったり、選ばれている歌人の歌も代表作ではなかったり(駄作だったり)する謎が解けるという説を知った。その時も、すごく衝撃を受けた。この作品では、織田氏とは別の配列方法を示している。ここからは、種明かしになってしまうので、はっきりとは書けないが、それはある人物を鎮魂するために、あるものを基として、歌を配列するという方法である。厳密に言うと歌のつながりに強引な部分があるのではと思われる箇所もあるが、なんと巧妙で見事な配列になるのだろうかと、それに至る経緯も含め、ドキドキワクワクしながら、読み終えた。

 殺人事件の謎やトリックの精巧さを楽しむ人には、物足りないかもしれないが、「百人一首配列の謎」に興味がある方は、ぜひ読んでみてほしいと思う。

 パズルや古典(和歌)が好きな人は、秋の夜長に引き込まれること間違いなしと思う。

 
大原 京子(図書館事務室)

『海辺のカフカ』(上)(下)

村上春樹 新潮社 2005年

 これは、「世界で最もタフな15歳になる」ことを決意して知らない街へ向かう、少年田村カフカの物語です。

 多様なストーリーが展開されていて、読んだ人の数だけ感じ方がある物語となっています。実際、感想や質問が掲載されている『少年カフカ』が出版されていて、物語の内容に関する多くの質問が寄せられています。

 普段の生活の中で、誰でも、自分ではコントロールできない事態に遭遇する事があると思います。困った時、苦しい時、対処するだけの力をつけるために必要な経験をした少年に、あなたもきっと何かを感じる筈です。様々な関係性の編み目が紐解かれていく、そんな村上春樹の哲学的小説世界で、自分なりの何かを感じ取ってみてください。

 
亀山 鈴鹿(図書館事務室)

『学校ともだち』

長野まゆみ 河出書房新社 1996年

 ある小学校の、生徒と先生の学級日誌でのやり取りのみでストーリーが進んでいきます。

 日誌を通して生徒の成長や先生の優しさが伝わってくる、読んだ後に心が温かくなる本です。

 
中本 佳代子(総合支援課)

『もものかんづめ』

さくら ももこ 集英社 2001年3月

 この本、「もものかんづめ」は、子どもから大人まで老若男女問わず、読んでいただける本だと思います。とても読みやすく、実際に著者自身が体験したことがそのまま書かれているため、共感しつつも、実際に生活していくなかで”これは使えるな!”という智恵袋まで教えてくれるそんな一冊です。

 本を読むことが苦手だな、と思われる方も、全く問題ありません。本当に読みやすい一冊ですので、ぜひ機会がありましたら手にとって読んでみてください。私も、本を読むことがあまり得意ではありませんが、この本だけはなぜか、集中して、もう少し読んでみようと、そんな気持ちにさせてくれますので!!

 
新重 智美(図書館事務室)

『夢をつかむ イチロー262のメッセージ』

「夢をつかむイチロー262のメッセージ」編集委員会 ぴあ株式会社 2005年

 現在、大リーグで活躍中の日本人メジャーリーガー「イチロー選手」の言葉を綴った一冊です。

 この本は、「夢をつかむ イチロー262のメッセージ」のタイトル通り、イチロー選手がこれまで数多くの記録や夢を達成し続ける過程で語られたメッセージ集です。イチロー選手の言葉は読みやすくとてもシンプルですが、その言葉一つひとつに込められた言葉の意味に深く考えさせられ、スポーツに限らず自分の夢や目標を本当につかむ為のヒントとなり、又、何か人生で行き詰まった時など、読んだ人の心に残り、きっと何か心を動かされると思います。

 イチロー選手の1番目のメッセージ。

 「夢をつかむことというのは、一気にはできません。ちいさなことをつみかさねることで、

いつの日か、信じられないような力を出せるようになっていきます。」

この本の中から一つでも多く、イチロー選手の言葉が心にとまれば良いなと思います。

 
西 和子(図書館事務室)

『[新装版] 美しい人に』

渡辺 和子 PHP研究所 2008年

 「人間はみんな、自分の力で美しい人にも醜い人にもなれる」−そんなことをしみじみと気付かせてくれる、心にしみるエッセイ集です。人格について、愛について、人間理解について深く考えさせられます。

 中でも、筆者が9歳の時に目の前で目撃した二・二六事件での父の最期を綴った「雪の音」の章には、父への、母への、そして人間への深い慈愛が、「雪」のように厳しくも清らかな印象の中で満ち溢れていて、魂の底を揺さぶられるような静かな静かな感動の波が押し寄せてきました。

 1985年8月12日に発生した日本航空123便墜落事故の犠牲者の一人である二十一歳の女子大生冨田真理さんの遺品の中に、焼け焦げた5〜6センチ四方の紙片となった文庫本『美しい人に』があり、「最後まで大事に握りしめていたのではないでしょうか。」というご遺族の方の談話が、当地の新聞に載せられたということを知ったとき、更にこの本への思いは深まったことです。

 
西 和子(図書館事務室)

『華氏451度』

レイ・ブラッドベリ 早川書房 1975年

 華氏451度とは、摂氏になおせば約220度C、つまり紙が引火し、燃え出す温度です。紙は本、本は自由な 精神と個人の尊厳のシンボルであるとブラッドベリはいいます。近未来を舞台に、本という本を焼き捨てるのが 仕事である焚書官(ファイアマン)という職業の男が主人公ですが、自分の職業に疑問を持ちはじめたことから 物語は発展していきます。現代社会を振り返り、考え始めることのできる、SFの傑作だと思います。
 
三戸直子(経理課)

『手紙』

東野圭吾 文春文庫 2006年

 映画化もされたベストセラー本です。加害者と被害者、両方の立場から描かれているもので、加害者の家族が人生の節目節目に受け続けなければならない差別。読んでいるととても胸が苦しくなります。

 読み終わった後、色々なことを考えさせられる本です。映画もオススメです。

 
山田 恭子(総合支援課)

『SNOWFLAKE  スノーフレーク』

ケネス・リブレクト 著  パトリシア・ラムッセン 写真 山と渓谷社 2006年

 2008年は、ノーベル賞の化学賞と物理学賞に、合わせて4名の日本人受賞者が誕生しました。

 この本には、美しい雪の結晶の写真が多数(しかもカラーで!)収められていて、それを眺めるだけでも充分素敵な一冊なのですが、1930年代に、日本の物理学者・中谷宇吉郎によって、雪の結晶について、初めて詳細で体系的な研究を行われたことにも触れています。

 水蒸気が昇華凝結して氷になるという過程、つまり”凍る”という単純なプロセスが、どのようにして多くの人を惹きつける構造物を生み出すのか――?

 最近、巷で”科学を装った非合理”な疑似科学が氾濫するなか、正しい知識は勿論のことですが、ただ、美しいものをあるがままの姿で捉えてみませんか。

 
山田 恭子(総合支援課)

『不合理ゆえに吾信ず』

埴谷 雄高  現代思潮社ほか 1996年

――その確かさを知れば知るほど、吾々は不快にささえられている自身を知ることが出来る。
10代の終わりの頃、訳のわからないことを取りとめもなく考えてしまう時間があった。
特に正解や回答を求めていた訳ではないけれど、
行き場のないヒリヒリとした思考を内側に押し込めていた時期に、この本に出会った。
書いてあることは未だに全くもって理解不能。
詩なのか、散文なのか、あるいは思想の書き逃げなのか。
それでも時々思い出したかのように開いてみることがある。
ここだけは変わらず静謐で、何年経っても”考える”ことを突き付けてくる一冊です。