博士の野外活動記

話題の図書館を訪ねて ―岡山県立図書館の巻

                                   (2006年11月26日 土曜日)

「桃太郎」の町、岡山市はわれらが町のお隣の県である。
駅前から乗った市内電車のシートはなんと木製。同じく床の木とともに清潔感にあふれ、なんとも温かい。 レトロでいて斬新なその感触にまず度肝を抜かれ、これから見学する県立図書館への期待感がどんどん高まっていった。 (ワクワク)

岡山県立図書館。
岡山市の中心部、丸の内の県庁前に2004年9月25日オープン。立地条件は最高である。
えっ?これが県庁?といった官庁のイメージを裏切るソフトな外観の建物に驚いた後で、さらに大きな「えっ?」 が向かい側の建物に吸い込まれることになる。

館内に進入。
第一印象は「広い! 明るい!」だ。
う~ん、この印象は具体的な数字で示さないと説明できない。

鉄骨鉄筋地上4階地下1階
延べ床面積  18,199㎡  (全国で第5位)
図書収蔵能力 約230万冊   (都道府県立では最大規模)
開館時は約65万冊。現在73万7,000冊(全国平均79万9,000冊)
新聞90誌 雑誌710誌 業界紙や学術誌までそろう。
閲覧席    インターネットに接続できる193席を含め計400席。
そして極めつけの数字だ。
総事業費約140億円!!

広さは理解してもらえただろうか。

さて明るさである。
採光のせいもあるが、何よりも利用者の顔、 そしてサービスするスタッフの姿勢から発せられているものであるように強く感じた。

閲覧室は社会科学、郷土など6部門に分けられ、特に児童専門部門がユニークである。
毎月400冊程度出版される児童図書を全点購入し、過去二年分を展示しているのである。 気軽に手にして選べるようにとの配慮での展示である。ちなみに児童資料部門での蔵書は63,000冊を数えるとか。
公募によるマスコットキャラクターも親しみやすい。 桃の形の「ヨムヨム」くん?ちゃん?イメージ化しやすいネーミングではないだろうか。

明るさの数字を挙げよう。

図書購入費  2億3162万円                (全国で1位)
利用者数   一日平均3,721人(土日平均4,300人以上)  (全国で2位)
個人貸出数  一日平均貸出冊数3,790冊          (全国で2位)
インターネットを通じた貸出予約数は一日平均105件)

窓際に接した閲覧机はほぼ満席だった。親子連れが目立ち、中には旅行かばんを持った常連風の利用者も見受けられた。 人の動きも話し声も、暗黙のルールのもとに心地よい活気となって学習空間を揺らしているように見受けられた。

官公庁街の休日は閑散としているのが通常と思われるが、 この図書館の人気が、街のにぎわい復帰となる活気ももたらすのではないだろうか。

広い館内をひととおり見学させてもらったあとで確信できたことは、ここは、生涯学習の拠点として、 今後もさまざまな工夫を凝らしたサービスが展開されていくであろうということである。

とにかくみなさん、「百聞は一見に如かず」!
ぜひ隣の桃太郎の町を訪ねてみてください。

                                      図書館事務室  西
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